公募研究
チオラートで保護された金クラスターに異原子をドープすると、それらに新たな機能を付与することが可能である。しかし、一般的に異原子をドープすることで得られる合金クラスターはドープ数に分布が生じてしまう。従って、これまでの技術では、各組成の合金クラスターの真の物性を評価することは困難であった。我々はこれまで、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)を駆使することで、様々なクラスター混合物を分離する技術を確立してきた。本研究では金以外の10,11,12族元素であるAg、Cd、Pd、もしくはPtのドープされた合金クラスターの混合物に対し、RP-HPLCを駆使することで、それらの高分解能分離を試みた。試料はAu25(SC4H9)18クラスターにAg、Cd、Pd、もしくはPtがドープされたAu25-xMx(SC4H9)18(M = Ag、Cd、Pd、もしくはPt)を用いた。RP-HPLCによる分離においては、カラムにはコアシェル型のODSカラムを用い、移動相の組成比はグラジエントプログラムにより制御した。得られたクロマトグラムより、混合物がRP-HPLCにより高分解能で分離されたことが示された。分離された各合金クラスターのUV-Vis吸収スペクトルより、銀により置換してゆくと、各ピークが高エネルギー側にシフトすることが分かった。Au25-xMx(SC4H9)18の保持時間の関係から、極性を高める金属の順序はPd>Pt>Cd>Agであることが明らかになった。以上のように、様々な合金クラスターを精密に分離することに成功し、異原子ドープが金クラスターの電子構造、極性に与える影響を明らかにすることに成功した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016 その他
すべて 雑誌論文 (17件) (うち国際共著 5件、 査読あり 17件、 オープンアクセス 17件、 謝辞記載あり 12件) 学会発表 (20件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 図書 (5件) 備考 (1件)
Industrial & Engineering Chemistry Research
巻: 56 ページ: 1029-1035
10.1021/acs.iecr.6b03814
Scientific Reports
巻: 7 ページ: 43445
10.1038/srep43445
ACS Appl. Mater. Interfaces
巻: 9 ページ: 8134-8141
10.1021/acsami.7b00030
APL Materials
巻: 5 ページ: 053201
10.1063/1.4978373
THE JOURNAL OF PHYSICAL CHEMISTRY
巻: C ページ: 120
10.1021/acs.jpcc.6b09339
巻: C ページ: 印刷中
10.1021/acs.jpcc.7b00978
10.1021/acs.jpcc.6b12121
THE CHEMICAL RECORD
巻: - ページ: 印刷中
10.1002/tcr.201700002
New Journal of Chemistry
巻: 40 ページ: 1861-1871
10.1039/C5NJ02547H
Journal of Materials Chemistry A
巻: 4 ページ: 3765-3776
10.1039/C6TA00379F
Chemical Communications
巻: 52 ページ: 6095-6098
10.1039/C6CC01642A
Chemistry An Asian Journal
巻: 11 ページ: 1588-1596
10.1002/asia.201600173
Coordination Chemistry Reviews
巻: - ページ: 320-321,238-250
10.1026/j.ccr.2016.02.013
巻: 120 ページ: 14301-14309
10.1021/acs.jpcc.6b03812
Chinese Journal of Catalysis
巻: 37 ページ: 1656-1661
10.1016/S1872-2067(16)62501-9
Dalton Transactions
巻: 45 ページ: 18064-18068
10.1039/C6DT03214A
巻: 120 ページ: 25861-25869
10.1021/acs.jpcc.6b08636
http://www.rs.kagu.tus.ac.jp/negishi/ronnbunn.html