研究実績の概要 |
重力相互作用における「パリティの破れ」に関する理論模型として、チャーンサイモンズ重力模型を検討した。具体的には、NASAとスタンフォード大学とが共同で打ち上げたGravity Probe Bとよばれる専用衛星実験の解析を再検討した。この実験により、一般相対性理論が予言したレンズシリング効果が検出され、実験精度の範囲内では、チャーンサイモンズ型の修正理論のモデルパラメタへの制限が与えられた(Everitt et al. Phys. Rev. Letters 2011, Alexander and Yunes, Phys. Rev. Letters 2007)。 しかし、彼らの解析に用いた理論模型(理論テンプレート)では、不十分であり、改良の余地が大いにあることが分かった。このことは、新学術「重力波天体」の全体会議である、 4th Multimessenger Astronomy Symposium (東京大学・数物連携宇宙研究機構、2016年2月17-19日)にて口頭発表した。 これらの準備が整ったので、次年度は重力波検出器を用いた探査法の研究に集中する。
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