研究領域 | 感覚と知能を備えた分子ロボットの創成 |
研究課題/領域番号 |
15H00807
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
濱田 勉 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 准教授 (40432140)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 生物物理 / マイクロマシン / 分子モーター / 脂質 |
研究実績の概要 |
DNA等の分子部品をリポソームに実装したアメーバー型分子ロボットを自在に制御するため、リポソーム構造ダイナミクスの操作技術およびリポソーム膜面への分子装着に関する研究を行った。リポソーム操作技術として、光による膜融合コントロール系の開発を推進させた。光応答性界面活性剤を用いて膜張力の増減をコントロールすることで、融合システムを構築し、膜の自由エネルギー計算により融合の中間体(融合ポア)の安定性について説明した。そして、膜組成や光照射強度をパラメータとする相図を構築し、最適な制御条件の探索を行った。 また、リポソーム膜への分子吸着に関しては、膜小胞のサイズに依存して内部のDNA分子が膜への吸着・脱吸着やfolding・unfolding状態を変化させる分子システムを設計した。また、膜面に吸着したナノ粒子の運動解析を行い、膜変形と粒子運動の協同的効果が異常拡散現象を誘起させることを発見した。 さらに、膜面への分子モーターの装着を行い、流動性のある膜上における細胞骨格分子・微小管の運動解析を行った。膜面の組成(流動性)を変化させることで、運動スピードおよび直進性を制御することに成功した。また、運動する2つの微小管が衝突すると、運動方向が揃う現象が観察された。今後、これらの微小管の集団運動を膜面へフィードバックさせ、アメーバ機能を備える分子ロボットを設計する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リポソーム融合の操作技術開発および、DNA、ナノ粒子、分子モーター等のゲスト分子群のリポソーム膜面への装着実験が着実に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
先ず、膜融合・ポア形成の光制御系を確立する。制御パラメータの確定および数理モデル化により技術基盤を整える。そして、分子ロボットの感覚・知能を担う核酸分子との相互作用実験に移行する。また、分子要素の膜への装着・システム化として、分子モーター・ナノ粒子の膜上運動のパターン解析を進め、システムを制御する物理原理を明らかにする。
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