研究領域 | 感覚と知能を備えた分子ロボットの創成 |
研究課題/領域番号 |
15H00814
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
東 俊一 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (40420400)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 分子ロボット / 生化学反応ネットワーク / 制御 |
研究実績の概要 |
分子ロボットの制御における最大の特徴は,生化学反応ネットワークで構成された制御対象を,生化学反応ネットワークに実装されたアルゴリズムで制御しなくてはならない点にある.しかしながら,一般に生化学反応ネットワークのダイナミクスは,「ネットワークトポロジ」と「要素ダイナミクス」(各化学物質の反応係数)の2つで定まるが,前者の情報は比較的容易に(たとえばデータベースから)入手できる反面,後者の情報を得るのは前者と比べてかなり難しい.それゆえ,分子ロボットの制御においては,未知の要素ダイナミクスに対し,ネットワークトポロジの情報だけを用いて制御する枠組み,すなわち「トポロジベースト制御」の設計論が必要となる.このような背景のもと,本年度は,構造的単安定性の検討を行い,花形構造を有するシステムの必要十分条件を含む,種々の条件を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の予定に比べてかなり強い性質を明らかにできているため.また,成果がこの分野の主要雑誌であるIEEE Transactions on Control of Network Systemsに採択された.
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今後の研究の推進方策 |
生化学反応ネットワークの双安定性(アトラクタとして点アトラクタが2つだけ存在するか否か)に焦点をあて,その条件を導出する.また,カクタス構造のグラフトポロジに変換可能なクラスを明らかにする.これらの結果と,前年度までの単安定性(アトラクタとして点アトラクタが1つだけ存在するか否か)と振動性(点アトラクタが存在するか否か)の成果と合わせてトポロジベースト制御の設計論を確立する.また,最終年度として研究の総括を行う.
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