公募研究
計算機ネットワーク上の効率的な計算、協調を目的としたアルゴリズムは分散・並列アルゴリズムと呼ばれ、種々の特徴的な要因によりその計算複雑性の理論は、逐次計算における複雑性理論とは異なる形で発展を遂げてきた。本研究では,両者をより高次な視点から俯瞰し、共通の困難性を見いだすという側面から検討を行い,研究を遂行した.特にグラフ上の諸問題に対して,グラフマイナー理論,量子計算,情報理論等の関連他分野におけるテクニックを積極的に分散アルゴリズムの設計に生かすことで,いくつかの課題において既存の限界を打破する成果を得た.特に,低競合ショートカットに関する研究,グラフ上の三角形発見に関する研究は,当該分野におけるトップ会議へと採択され,高い評価を得た.具体的には以下の通りである.- 木構造低競合ショートカットの汎用的な構成方法の提案:低競合ショートカットはラウティング手法の一種であり,分散グラフアルゴリズムにおいて重要な応用を持つ.本研究では木構造から生じる低競合ショートカットを発見する,汎用的な分散アルゴリズムを示した.提案アルゴリズムは任意のグラフに対して適用可能な初めてのアルゴリズムである.また,部分k木や種数制限グラフ等,これまでに存在,構成法等が知られていないかったグラフクラスに対して効率的なショートカットを構成可能であることを示した.- CONGESTネットワークモデルにおける三角形探索と列挙:分散グラフアルゴリズムの標準的なモデルの一つであるCONGESTモデルにおいて,世界で初めて三角形の発見および列挙を準線形時間で行う分散アルゴリズムを示した.また,同問題に対する初めての非自明な計算時間下界を示した.本成果は量子計算,情報理論等のテクニックを駆使しており,新学術領域における連携研究の成果として意義が深いものである.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 2件、 査読あり 6件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 5件、 招待講演 1件)
Proc. of ACM Sumposium on Princples of Distributed Computing
巻: - ページ: 印刷中
Discrete Applied Mathematics
巻: 213 ページ: 130-138
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IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences
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