公募研究
本研究では新規な感応性化学種について、その分子構造と二光子吸収特性の関係を明らかにし、応用を探索すると共に、二光子吸収を用いた化合物の応用研究の加速に資するため二光子吸収の評価が容易となる様に比較対象物質(標準物質)を整備することを目的とし、そのための学術的な基礎を確立する。平成28年度においては、新規波長可変レーザー光源の特徴を活かした新しい測定手法の検討を行い、従来手法に比べて1/3の所要時間で二光子吸収スペクトルの外形が得られるようになった。しかし、二光子吸収以外の非線形吸収が存在するかどうかの確認については、別途数波長での捕捉的な測定が必要である。また、その手法を用いて標準物質としてローダミン系色素やジフェニルアセチレン系色素について二光子吸収スペクトルを測定し、確認を行った。また、昨年度に引き続き領域内外との共同研究を積極的に進め、東北大岩本教授との共同研究により、一重項開殻性をもつσ/π共役型Si化合物の測定を行い、この新規感応性化学種が970~1050 nmの幅広い波長域で二光子吸収を持つことを見出した。この波長域で得られた信号は純粋な二光子吸収から得られるものに比べて若干のずれを示し、三光子吸収の寄与も存在することも示唆された。また、イタリア、ポーランドなど海外との共同研究にも、この新しい測定手法を適用して、新規な金属錯体系やヘテロ環骨格を持つ化合物系で顕著な二光子吸収が得られることを明らかにした。さらに、新しい機能性の発現に向けて固体系での三光子吸収測定の評価手法の確率を進めた他、二光子吸収を応用した多段階多光子吸収に関する成果の論文化も進めた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
Can. J. Chem.
巻: - ページ: in press
10.1139/cjc-2016-0569
ChemPhysChem
巻: 18 ページ: 142-148
10.1002/cphc.201601226
Jpn. J. Appl. Phys.
巻: 55 ページ: 09SB04
0.7567/JJAP.55.09SB04