研究領域 | 福島原発事故により放出された放射性核種の環境動態に関する学際的研究 |
研究課題/領域番号 |
15H00974
|
研究機関 | 総合地球環境学研究所 |
研究代表者 |
谷田貝 亜紀代 総合地球環境学研究所, 研究部, 客員准教授 (60353447)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 大気データ / 降水データ / 福島 / レーダー |
研究実績の概要 |
本研究では、雨や風の地上観測データをはじめ、レーダーや、乾性沈着の推定に用いられるとの報告のある大気電場データ等申請者らが集めてきたデータベースを基に、福島県を中心として関東から東北地方の、2011年3月の気象条件・地表面状態(積雪の有無等)を明らかにする。そして、大気モデルの検証を行いつつ、本新学術領域メンバー等で取得されたサンプルの拡散沈着プロセスの理解に協力する。 計画の進捗として,雨や風の地上観測データをはじめ、各種レーダー(降水3次元構造)や、大気電場データ等について、申請者らが集めてきたデータベースを基に、衛星データ等も追加整理した.また,計画班(大気2班)の協力者として,研究集会で意見交換し,現地調査にも参加した.その際に,本研究計画の1つである調査地を選定した.具体的には大気モデルの再現が難しい地域や、モデル間で拡散移行過程に差異がみられ、観測データから解釈が難しい、中通やホットスポットのみられる中・高線量地域については、大規模橋梁下や建造物の壁面、比較的小規模な谷の両側のサンプルを取得する際の地域選定を行った. 大気電場の変化については,研究協力者の山内氏を訪問し,衛星データ解析を含めて研究をすすめた.MTSATにより雲・霧の変化も調査しはじめている.国際的な学会でも複数回進捗を報告した.京都大学でのACMはエアロゾル関係のセッションでポスター発表したが,関心はあまりもたれなかった.一方AGUは初の福島セッションで,最初の口頭発表者となり,多くの関心を集めた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地調査のサンプリング取得ができなかったが,現地をA02班と協力して訪問調査できた.衛星データ処理は,霧の時のsplit windowチャネルの処理を手掛けられたが,まだまとまっていない.モデルデータの処理はまだ手掛けていない.一方で,大気電場との対応は予定以上にすすんでいる.
|
今後の研究の推進方策 |
平成28年度は,新学術課題として最終年度にあたるため,各班との意見交換を重視したい.4月から異動したため,現地調査はしづらくなったが,弘前大学には計画班代表者(被ばく医療研究所)の山田先生がおられるため,初期被曝評価を意識した研究をすすめたい.
|