公募研究
本研究では、代表者らの専門分野である有機合成化学を駆使して芳香族縮環ジケトホスファニル化合物の合成・分子構造解明・基礎物性(電子受容性,発光挙動)研究を実施したうえで、“しなやかな”ジケトホスファニル化合物のピラミッド反転を合理的に分子設計に還元したelastic-π機能分子の創製を目指している。今年度は、前年度に開発に成功したチオフェン縮環ジケトホスファニル骨格を有するビルディングブロックを用いた発光性、狭バンドギャップポリマーの基礎的物性研究に関する成果を論文にまとめた。領域内の共同研究では、開発した狭バンドギャップポリマーを球体にすることに成功し、FRETによる近赤外光のWGM発光を示すことがわかった。また、領域外の共同研究として、ジケトホスファニル化合物の電気化学的な還元挙動を調べるために、分光電気化学測定やEPR測定を行なったところ、一電子還元によるラジカルアニオン種の発生が確認できた。EPRスペクトルの解析からは、ベンゼン縮環型のジケトホスファニル化合物の場合、主にベンゼン環、及びリン上に不対電子が局在していることを示唆する結果が得られた。また、ジベンゾフェナジンを独自のアクセプターとすることで合成できる、ねじれ型ドナー・アクセプター・ドナー(D-A-D-)型のπ共役化合物が効率的な熱活性化遅延蛍光を示すこと、高効率OLEDデバイスの発光材料として機能することを秋からにした。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 3件、 招待講演 5件) 備考 (2件)
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