研究領域 | 3D活性サイト科学 |
研究課題/領域番号 |
15H01045
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
近藤 敏啓 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (70240629)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 単結晶電極 / 異種金属析出 / 表面X線散乱法 / 電極触媒 / 3D活性点 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、Pt(111)単結晶電極と、酸素還元反応(Oxygen Reduction Reaction; ORR)における触媒基質(溶存酸素)を含まない種々の電解質溶液(0.1 M HClO4および0.05 M H2SO4)との界面構造の電位依存性について放射光利用表面X線散乱(Surface X-ray Scattering; SXS)法によって検討した(SXS測定については計画班の若林Gからの有益な助言をもらっている)。その結果、触媒基質である溶存酸素の吸着を妨げる(触媒反応を妨げる)のは、電解質溶液中の水酸化物イオン(OH-)および硫酸イオン(SO42-あるいはHSO4-)といったアニオンの吸着構造(Pt(111)のatop siteに(1×1)構造(すなわち1 ML)で吸着)にあることがわかった。この結果は、ORR触媒活性向上およびORRの3D活性サイトを探索する上で極めて有用な知見であり、また一般の表面科学/電気化学分野においても重要な知見のため、すでに論文にまとめ、受領され、現在印刷中である。 その他、金微粒子サイズが電気化学的に変化していく挙動を放射光利用斜入射X線回折(Grazing Incidence X-ray Diffraction; GIXRD)法によって系統的に調べることで、金属微粒子のサイズと格子定数の定量的関係を明らかにするとともに、リチウム系二次電池の負極材料として期待されるシリコンを用い、シリコン単結晶をリチウム化すると、表面近傍にLi15Si4合金の単結晶相が、基板の方位に沿ってコメンシュレイトに成長することを、放射光利用GIXRD法によって明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3D活性サイト探索の元となるPt(111)単結晶電極/電解質溶液界面の3次元構造の電位依存性ならびにそのダイナミクスについて決定できた。
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今後の研究の推進方策 |
Pt(111)単結晶電極上における酸素還元触媒反応の3D活性サイトを探索するとともに、異種金属基板上へのPt析出構造を決定する。
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