公募研究
本年度は,以下の2項目を実施した.1.前年度に検討した脳局所特徴および解析手法について,大規模な脳MRI画像データベースを用いて性能評価および解析の実験を行った.まず,健常者からなる脳MRI画像データベースを用いた年齢推定の実験を通して,正常加齢に伴う脳の形態変化が顕著に現れる局所領域を調べた.年齢推定に用いる局所領域を1つずつ削除することで有効な領域を求めた.得られた有効領域は,医学における統計解析の結果と一致することを確認している.有効領域のみを用いて年齢推定することで,推定精度が向上することを確認した.次に,健常者と脳疾患患者において,形態変化が顕著に表れる領域を解析し,診断支援を行うことを検討した.具体的には,アルツハイマー病患者を含む大規模な脳MRI画像データベースを用いて年齢推定実験を行い,健常者とアルツハイマー病患者との間に推定される年齢に差があることを確認した.アルツハイマー病患者の場合は,実際の年齢よりも10歳~20歳程度高く推定される傾向にあり,この結果を診断支援に利用できる可能性がある.以上の成果については,医用画像処理に関する国際会議等で発表を行った.2.局所領域をノードとし,局所領域間の接続性からエッジを定義することで,複雑な脳機能をネットワークとして表現し,局所領域間で相互作用しながら情報伝達を行っているスモールワールド性を有していることを確認した.健常者とアルツハイマー病患者との間で構成されるネットワークに違いがあることも確認した.これらの知見に基づいて,複雑ネットワーク解析に基づいた脳画像解析が行えることを実証した.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
Proceedings of the International Forum on Medical Imaging in Asia 2017
巻: - ページ: 63-66
Proceedings of the 38th Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society
巻: - ページ: 5941-5944
https://doi.org/10.1109/EMBC.2016.7592081