研究領域 | 医用画像に基づく計算解剖学の多元化と高度知能化診断・治療への展開 |
研究課題/領域番号 |
15H01106
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
羽石 秀昭 千葉大学, フロンティア医工学センター, 教授 (20228521)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 5-ALA / 脳腫瘍 / 蛍光 / 術中支援 |
研究実績の概要 |
5-ALAを用いた手術の支援システム開発として,照明の高速切り替えと演算処理により,白色・励起光下の両画像を融合表示するシステムを試作した.光源には白色および短波長のLED光源を用い、カメラはRGBカメラを用いた。照明切替を30Hzで行い、これと同期して60fpsのスピードで画像撮影を行った。また収集された動画像に対してリアルタイム処理を行うシステムを完成させた。蛍光領域抽出処理は15.6±0.5 ms であり、リアルタイム性を確認した。 一方、プロトポルフィリン(PpIX)を用いたファントムを作成し、分光放射輝度計により反射率を計測することでPpIX濃度推定を行った。照明の強度や角度が異なるなど、異なる照明条件においても濃度推定が安定に行えることを実験的に示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に27年度の「実践的撮影系の基本設計」として予定した内容は基本設計を超えて交互照明撮影装置が稼働するまでになり、予定以上である。一方、腫瘍ラット利用のミクロ解析については、ヒト腫瘍のミクロ解析を優先することとし、腫瘍ラット利用に関しては28年度に実施することとした。これらも含めて概ね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
研究を進めた結果、退色の影響が少なからずあることが判明した。そこで、退色に影響を受けない腫瘍密度の推定法を構築していく。具体的には退色の時間変化が濃度に依存しないような予備的実験データが得られていることから、一定の時間内での退色の特性から退色前の濃度を推定することを試みる。また、撮影幾何に依存しない信号処理法についても、適当なファントムを用いた実験を行って、提案方法の効果の検証を行う。さらに、実際の脳腫瘍摘出切片にも適用して同様の定量性が得られるかを検証する。
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