研究領域 | 免疫四次元空間ダイナミクス |
研究課題/領域番号 |
15H01157
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鈴木 一博 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授(常勤) (60611035)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 免疫学 / 解剖学 / リンパ球 / 交感神経 |
研究実績の概要 |
本研究は、交感神経をリンパ組織を構成するストローマ細胞として捉え、交感神経によるリンパ球動態制御の実態を2光子励起蛍光顕微鏡を用いたイメージング(2光子イメージング)と、本研究で開発する交感神経除去マウスを用いて明らかにすることを目的とする。平成27年度は、当初の研究計画にしたがって以下の3点について研究を行った。 1) リンパ節における交感神経の網羅的可視化によるマッピング:交感神経に特異的に蛍光タンパクを発現するマウスのリンパ節を透明化した上で2光子イメージングで三次元的に再構築することによって、リンパ節における交感神経を網羅的に可視化することに成功した。これによって、交感神経がリンパ節では主にB細胞の集まるリンパ濾胞の周辺部分に投射していることがわかった。 2) リンパ節における交感神経とリンパ球の相互作用の可視化:生きたマウスのリンパ節内で交感神経とリンパ球の相互作用を2光子イメージングで可視化する実験系を立ち上げた。 3) 交感神経除去マウスを用いた交感神経の機能解析:交感神経特異的にジフテリア毒素受容体を発現するマウスを作製し、このマウスにジフテリア毒素を投与することによって交感神経を除去できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リンパ節における交感神経の網羅的可視化によるマッピング、リンパ節における交感神経とリンパ球の相互作用の可視化、および交感神経除去マウスを用いた交感神経の機能解析のいずれにおいても、平成27年度は当初の研究計画のとおりに研究が進捗しており、本研究の目的を達成するための準備が整った。
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今後の研究の推進方策 |
1) リンパ節における交感神経の網羅的可視化によるマッピング:リンパ節において交感神経を網羅的に可視化する実験系を用いて、交感神経と血管およびリンパ管、他のストローマ細胞との位置関係を明らかにする。 2) リンパ節における交感神経とリンパ球の相互作用の可視化:生きたマウスのリンパ節において交感神経とリンパ球の相互作用を2光子イメージングで可視化する実験系を用いて、交感神経との相互作用がリンパ球の挙動にどのような変化をもたらすかをリンパ球のリンパ節からの脱出過程に注目して解析する。 3) 交感神経除去マウスを用いた交感神経の機能解析:交感神経特異的にジフテリア毒素受容体を発現するマウスにジフテリア毒素を投与することによって交感神経を除去した場合に、リンパ節におけるリンパ球の分布,そしてストローマ細胞の形態とネットワークがどのように変化するかを解析し、リンパ節の組織構築における交感神経の役割を明らかにする。
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