研究領域 | 免疫四次元空間ダイナミクス |
研究課題/領域番号 |
15H01161
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
穂積 勝人 東海大学, 医学部, 准教授 (30246079)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | Notchシステム / 胸腺 / ILC2 / パイエル板 |
研究実績の概要 |
1.Notchシステムの新規分子論 Notch1発現造血未分化細胞の胸腺でのT細胞分化誘導において、Dll4は、Dll1に較べ、高い誘導能を保持している。我々は今年度、Dll1/4間のキメラ分子を用いた解析から、Dll4の機能的優位性が、Notch結合領域として知られるDSL、DOS領域ではなく、NotchリガンドのN末端部であるMNNL領域に依存することを明らかにした。また、すでに報告されているNotchリガンドの構造解析データを再検証し、MNNL領域の構造的差異を新たに見出した。 2.ICN2分子とNotchシステム(理研・茂呂先生との共同研究) 造血未分化細胞からILC2細胞への分化における“弱い”Notchシグナルの役割を見出した。そこで、in vivoでのT細胞およびILC2細胞分化におけるNotchシグナルの量的差異について調べるため、胸腺上皮細胞特異的にDll4遺伝子を消失したFoxN1-Cre、Dll4-floxedマウス胸腺に存在する細胞を精査したところ、これまでに報告したB細胞に加えて、ILC2細胞の顕著な増加を確認した。この結果は、ILC2細胞が、T細胞分化に適当なNotchシグナル量より低い閾値にて、誘導される可能性を示している。 3.パイエル板・虫垂におけるNotchシステムの発動 リンパ器官において、パイエル板の、特にB細胞領域にて、Dll4の高い発現を認めた。そこで、実際にNotchシグナルが誘導されている細胞を、Notch1細胞内断片の存在から、免疫組織化学的に調べたところ、CD4+FoxP3+細胞に、効率的にNotch1を介したシグナルが伝達されていることを見出した。次年度は、このNotchシグナルと、パイエル板に特徴的な、TregからTfhへの分化転換との関係を明らかにしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
共同研究による成果も含め、概ね、順調に推移している。最終的な結論を確定させ、速やかに論文作成を行いたい。
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今後の研究の推進方策 |
Notchリガンドの構造機能解析については、我々の推定した新たなNotchとの結合様式の妥当性について、当該領域の変異体を速やかに作成し、機能解析を行うことにより、検証する。 ILC2については、in vivoでの分化に必須のNotchリガンドを、KOマウスを用いた解析から、明確にする。 パイエル板におけるDll4の役割については、Treg/Tfh分化転換との関連から、生理的意義を追求し、IgA産生における意義を調べる。また、同様のリンパ器官である虫垂についても、検証する。
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