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2016 年度 実績報告書

正確な24時間リズムを生み出す時計タンパク質の安定化と分解のメカニズム

公募研究

研究領域ユビキチンネオバイオロジー:拡大するタンパク質制御システム
研究課題/領域番号 15H01173
研究機関東京大学

研究代表者

深田 吉孝  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (80165258)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードサーカディアンリズム / 生物時計 / CRY / タンパク質分解 / ユビキチン
研究実績の概要

FBXL3とFBXL21は互いに最も近縁なF-box型E3リガーゼであるが、時計タンパク質CRYの分解促進と安定化という拮抗的な作用を示す。Fbxl3欠損マウスは行動リズム周期が約28時間と野生型に比べて顕著に長くなる一方で、Fbxl3とFbxl21との二重欠損マウスは恒暗条件で飼育すると徐々にリズム性を失う。このリズム性消失の原因を追究するため、本研究では二重欠損マウスから時計中枢である視交叉上核を単離し、高感度CCDカメラを用いて個々の細胞の生物リズムを連続測定した。この実験には、視交叉上核の各細胞の時計振動を可視化するために、PER2タンパク質とルシフェラーゼとを融合したノックインマウスを利用した。その結果、各ニューロンのロバストなリズムが脱同調しているというよりも、個々のニューロンの細胞リズムが顕著に減弱していることを見出した。このことから、FBXL3とFBXL21のCRYに対する拮抗的な作用は、1細胞レベルでの時計機能の維持に必須であると考えられた。
一方、時計関連転写因子であるDBPは著しい日内変動リズムを示し、時計機構の時刻シグナルをスイッチのようにオン・オフで切り替えることができる出力因子である。我々は、RNA-SeqやqRT-PCR法を用いてmRNAの著しいリズム性を確認し、特異的抗体を自作することにより、DBPタンパク質の顕著な日周変動も確認した。さらにChIP-Seq解析を行い、DBPのゲノムワイドな転写出力とそのリズムを明らかにした。また質量分析により、DBPのリン酸化部位とユビキチン化部位を決定すると共に、その相互作用分子を複数同定した。一方、DBPタンパク質はプロテアソームの阻害によって安定化することを示し、このDBP分解に関与するE2タンパク質とE3リガーゼの候補を絞り込んだ。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (2件) 図書 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] ADARB1 catalyzes circadian A-to-I editing and regulates RNA rhythm.2017

    • 著者名/発表者名
      Hideki Terajima, Hikari Yoshitane, Haruka Ozaki, Yutaka Suzuki, Shigeki Shimba, Shinya Kuroda, Wataru Iwasaki, and Yoshitaka Fukada.
    • 雑誌名

      Nat. Genet.

      巻: 49 ページ: 146-151

    • DOI

      10.1038/ng.3731

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 体内時計によるADAR2を介したリズミックなA-to-I RNA編集とRNAリズムの出力制御2017

    • 著者名/発表者名
      寺嶋秀騎、深田吉孝
    • 雑誌名

      実験医学

      巻: - ページ: -

  • [雑誌論文] USP7 and TDP-43: Pleiotropic regulation of Cryptochrome protein stability paces the oscillation of the mammalian circadian clock.2016

    • 著者名/発表者名
      Arisa Hirano, Tomoki Nakagawa, Hikari Yoshitane, Masaaki Oyama, Hiroko Kozuka-Hata, Darin Lanjakornsiripoan, and Yoshitaka Fukada
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 11 ページ: e0154263

    • DOI

      https://doi.org/10.1371/journal.pone.0154263

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] SCOP/PHLPP1β in the basolateral amygdala regulates circadian expression of mouse anxiety-like behavior.2016

    • 著者名/発表者名
      Jun J. Nakano, Kimiko Shimizu, Shigeki Shimba, Yoshitaka Fukada
    • 雑誌名

      Sci. Rep.

      巻: 6 ページ: 33500

    • DOI

      10.1038/srep33500

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] SCOP/PHLPP1β mediates circadian regulation of long-term recongnition memory.2016

    • 著者名/発表者名
      Kimiko Shimizu, Yodai Kobayashi, Erika Nakatsuji, Shigeki Shimba, Maya Yamazaki, Kenji Sakimura and Yoshitaka Fukada.
    • 雑誌名

      Nat. Commun.

      巻: 7 ページ: 12926

    • DOI

      10.1038/ng.3731

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 時計タンパク質の翻訳後修飾による体内時計制御2016

    • 著者名/発表者名
      吉種光、深田吉孝
    • 雑誌名

      生体の科学

      巻: 67 ページ: 512-516

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.11477/mf.2425200542

  • [学会発表] ユビキチン化酵素FBXL3 とFBXL21が概日時計振動を安定に維持する作用機序2017

    • 著者名/発表者名
      野辺 加織、吉種 光、深田 吉孝
    • 学会等名
      時間生物フォーラム東京2017
    • 発表場所
      東京大学(東京都 文京区)
    • 年月日
      2017-02-21
  • [学会発表] A-to-I RNA編集酵素は体内時計からの出力リズムの鍵分子である2016

    • 著者名/発表者名
      野辺 加織、吉種 光、平野 有沙、深田 吉孝
    • 学会等名
      第39回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県 横浜市)
    • 年月日
      2016-12-02
  • [図書] 概日リズム.『動物学の百科事典』2017

    • 著者名/発表者名
      小島大輔、深田吉孝(日本動物学会 監修)
    • 総ページ数
      -
    • 出版者
      丸善出版
  • [図書] 松果体の光受容.『光と生命の事典』2016

    • 著者名/発表者名
      深田吉孝(日本光生物学協会 光と生命の事典 編集委員会 編)
    • 総ページ数
      436( 212-213 )
    • 出版者
      朝倉書店
  • [図書] 概日時計の発振メカニズムと時計蛋白質の翻訳後修飾.『ブルーライト テキストブック』2016

    • 著者名/発表者名
      吉種光、深田吉孝( 坪田 一男 編)
    • 総ページ数
      230( 126-131 )
    • 出版者
      金原出版
  • [備考] 深田研究室

    • URL

      http://www.biochem.s.u-tokyo.ac.jp/fukada-lab/index-j.html

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公開日: 2018-01-16  

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