公募研究
DNA二重鎖切断(DSB)が生じると、ユビキチンリガーゼRNF8がヒストンH1をLys63結合型ユビキチン鎖修飾する。続いて、RNF168のLRM-UMI-MIU1ドメインがLys63結合型ユビキチン鎖と特異的に結合することでDSBへと集積する。RNF168はヒストンH2Aをモノユビキチン化し、さらに下流のDNA修復酵素群を集積させる。しかしこれまで、RNF168のLRM-UMI-MIU1ドメインによるLys63結合型Ub鎖の認識メカニズムは不明であった。本研究ではRNF168のLRM-UMI-MIU1ドメインとLys63結合型ユビキチン鎖の複合体の結晶構造解析を行う。さらに、変異体を用いた解離定数の測定、変異体の細胞内での局在の解析を行うことで、RNF168によるLys63結合型ユビキチン鎖の認識メカニズムとその意義を明らかにする。昨年度までの研究成果として、RNF168のLRM-UMI-MIUドメインとLys63結合型ユビキチン鎖複合体の結晶構造を明らかにした。さらに、RNF168のMIU2ドメインもLys63結合型ユビキチン鎖特異的な認識を行うことを解明し、RNF168のMIU2ドメインとLys63結合型ユビキチン鎖複合体の結晶構造を明らかにした。得られた結晶構造を元にした点変異体を用いて、RNF168とユビキチン鎖の解離速度定数の解析を行った。その結果、RNF168によるLys63結合型ユビキチン鎖の詳細な認識機構が明らかになった。また、RNF168のLys63結合型ユビキチン鎖の認識に関わる領域に変異を導入し、DSBが生じた際の変異RNF168の細胞内での局在を調べることで、RNF168のDSBへの集積メカニズムの一端を明らかにした。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Scientific Reports
巻: 7 ページ: 42123
10.1038/srep42123
巻: 7 ページ: 40909
10.1038/srep40909
巻: 6 ページ: 33548
10.1038/srep33548