研究領域 | ユビキチンネオバイオロジー:拡大するタンパク質制御システム |
研究課題/領域番号 |
15H01182
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杤尾 豪人 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70336593)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ユビキチン / 構造解析 |
研究実績の概要 |
LUBACは、HOIL-1LとHOIP、SHARPINの三者からなる複合体である。LUBACのE3ユビキチンリガーゼ活性はHOIPのRING-IBR-RING領域によって担われており、その領域の構造は他グループによって報告されている。しかし、リガーゼ活性は、HOIL-1LやSHARPINとの相互作用によって調節されていることから、LUBACの作動機序の理解には三者複合体の形成様式に関する知見が必須である。三者が複合体を形成するのに必要な領域に絞り込んだコンストラクトを作成し、複合体の調製を行った。検討の結果、高純度に三者複合体を精製することができた。また、結晶化条件の探索の結果、小さいながらも結晶が得られる条件を見出した。しかしながら、サイズが十分ではなく、X線回折データを得ることが出来なかった。コンストラクトを微調整し、結晶化条件の探索を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
HOIP、HOIL-1L、SHARPINのそれぞれから三者複合体の形成機構に必要な領域を切り出したコンストラクトを作成し、発現精製を行なった。HOIPとHOILは共発現系で発現させ、大腸菌の破砕液の段階で、SHARPINを発現させた大腸菌の破砕液と混合し、アフィニティークロマトグラフィー、ゲル濾過によって精製した。その結果、高純度な三者複合体を調製することに成功した。続いて、この試料を用いて結晶化条件の探索を行なったところ、小さいながらも、三者複合体の結晶を得ることが出来ているため。
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今後の研究の推進方策 |
現段階で得られている結晶は、サイズが小さく、回折実験には使えない。種々、結晶化条件を探索したものの、サイズを大きくすることには成功していない。そこで、タンパク質試料のコンストラクトを微調整し、結晶化条件の探索を進める。2次構造予測やプロテアーゼによる限定分解によってフレキシブルな領域を特定し、そこを削除するなど、結晶化を妨げる要因を排除していく。また、結晶化に有効だという報告のあるリジンメチル化などのタンパク質修飾を行い、結晶化を試みる。
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