研究領域 | ユビキチンネオバイオロジー:拡大するタンパク質制御システム |
研究課題/領域番号 |
15H01186
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
弓本 佳苗 九州大学, 生体防御医学研究所, 研究員 (30596838)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ユビキチンリガーゼ / 基質 / CRISPR/Cas9 |
研究実績の概要 |
本申請課題ではユビキチンリガーゼ(E3)の基質を生理的にスクリーニングする系を確立することを目的としている。この為、平成27年度は既に判明しているKeap1(E3)-Nrf2(基質)をベンチマークとして系を確立させた。具体的には、内在性のKeap1の5'にFLAGタグを挿入するような組み換え用ベクターを作製した。また、開始コドン付近にguide RNAを設計し、pX330ベクターに組み入れた。両ベクターをHEK293T細胞に導入し、全てのアリルにFLAG tagを挿入してある細胞をクローニングした。また、予備検討より、Keap1の3-boxに変異を導入するとNrf2が蓄積することを確認した。3-boxはKeap1の1st exonに存在するため、先の組み換え用ベクターに変異を導入し、同様にCRISPRベクターと共にHEK293T細胞に導入した。 次にFLAGタグが機能しているかを免疫沈降・免疫ブロットにより確認したところ、Nrf2が上手く免疫沈降できていることを確認した。また、tert-ブチルヒドロキノン(tBHQ)存在・非存在下でLC-MS/MSによりFLAG免疫沈降物を測定したところ、Keap1分解系が停止しているtBHQ処理下でのみNrf2を結合タンパク質として同定できた。以上より、ベンチマークが上手く動くことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述の通り、本年度の目標はおおむね達成できている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定に従い、本年度はこのノックイン系を用いて未知のユビキチンリガーゼ‐基質関係を発見することを目標とする。本システムは特に分子量の大きなユビキチンリガーゼに対して絶大な威力を発揮すると予想される。このため、本年度はまだあまり解析されていないE3であるUBRsに解析対象をしぼる。
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