研究領域 | ユビキチンネオバイオロジー:拡大するタンパク質制御システム |
研究課題/領域番号 |
15H01192
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
沖米田 司 関西学院大学, 理工学部, 准教授 (90398248)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ユビキチンリガーゼ / エンドソーム / エンドサイトーシス |
研究実績の概要 |
1. エンドソーム局在E3リガーゼ変異体過剰発現実験の結果,RING domain, エンドソーム局在に関わるN末端領域,および中央部のunstructured 領域がΔF508-CFTR膜発現抑制効果に必要であることが明らかとなった.さらに,pull-down assay および BiFC 法の結果,ΔF508-CFTRとの相互作用にエンドソーム局在E3リガーゼのN末端領域が必要であることが明らかとなった.さらに,ノックダウン実験の結果,post-Golgi区画におけるエンドソーム局在E3リガーゼとΔF508-CFTRの相互作用は,Hsc70 分子シャペロン非依存的であることが明らかとなった.
2. ノックダウン実験の結果,エンドソーム局在E3リガーゼは,ΔF508-CFTRのエンドサイトーシスを阻害し,初期エンドソームからリソソームへの輸送を阻害した.しかしながら,エンドソーム局在E3リガーゼノックダウンは,トランスフェリン受容体やユビキチン結合アダプター依存的にエンドサイトーシスされる CD4TccUb(AllRΔG) のエンドサイトーシスは阻害しなかった.従って,エンドソーム局在E3リガーゼはエンドサイトーシスの分子機構自体には影響を与えないが,形質膜における異常タンパク質のユビキチン化を制御し,エンドサイトーシスを間接的に制御すると共に,初期エンドソームからリソソーム経路へのソーティングも制御する可能性が考えられた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
次年度に行う予定である結合タンパク質探索や,精製タンパク質を用いた in vitro ユビキチン化の再構成実験の準備が整ったため.
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今後の研究の推進方策 |
計画通りに進展しており,今後も計画に従い研究を推進する.さらに,エンドソーム局在E3リガーゼの翻訳後修飾による活性制御の可能性が示唆されたため,その可能性についても今後追求していく.
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