1. エンドソーム局在E3リガーゼ変異体を用いた細胞内局在解析およびプルダウン解析の結果,N 末端領域のパルミトイル化部位がエンドソーム局在E3リガーゼのエンドソーム局在を決定すること,また,N 末近傍に存在する disordered regions が構造異常を持つ成熟型 ΔF508-CFTR の認識に必要であることが明らかとなった.
2. エンドソーム局在E3リガーゼ点変異体発現により,クラスリン依存性,および,非依存性エンドサイトーシスを受ける積み荷タンパク質のリサイクリングが阻害された.一方,エンドソーム局在E3リガーゼノックダウンは,積み荷タンパク質のリサイクリングに影響を与えなかった.透過電子顕微鏡解析の結果,エンドソーム局在E3リガーゼ点変異体発現により,エンドソームの形態異常が見られた.
3. 網羅的質量分析解析の結果,エンドソーム局在E3リガーゼと結合する多くの新規結合タンパク質を同定した.これらには,リサイクリングエンドソームに関わる分子郡が含まれていた.従って,エンドソーム局在E3リガーゼは,これらの因子を制御することで,エンドソーム区画の形態およびソーティング機能制御に関わる可能性が示唆された.
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