研究領域 | シリア・中心体系による生体情報フローの制御 |
研究課題/領域番号 |
15H01201
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
稲葉 一男 筑波大学, 生命環境系, 教授 (80221779)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | カラクシン / 鞭毛繊毛 / ダイニン / 繊毛病 / 内臓逆位 / 水頭症 / 精子 |
研究実績の概要 |
カラクシンはホヤ精子で発見され、動物細胞の繊毛に特異的に存在する外腕ダイニンのカルシウムセンサーである。本研究課題では、脊椎動物、特に哺乳類におけるカラクシンの高次機能を明らかにするために、カラクシン欠損マウスを作製し、その表現型解析と繊毛解析を行うことを目的としている。本年度は、カラクシン欠損マウスが不妊でないこと、気管繊毛にもやや運動異常はあるものの致命的でないこと、それに加え、内臓逆位と水頭症が目立った表現型として現れるなど、繊毛業の様相を呈することが明らかになった。一方で、精子や気管における繊毛の微細構造を調べたところ、外腕ダイニンも存在するなど、軸糸に見かけ上の異常が見られないことがわかった。内臓逆位に関してはノード繊毛異常が考えられるが、本年度は正常マウスのノード繊毛ならびにノード流を解析するシステムを確立した。次年度、これらのシステムを用いてノード繊毛の有無、運動性の有無を解析することにより、カラクシンがモノシリアであるノード繊毛制御において果たす役割を明らかにする計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
カラクシンを欠損したマウスの表現型解析、特に妊よう性、精子運動、気管繊毛運動の変化と、内臓逆位と水頭症といった表現型解析がほぼ完了した。ノード繊毛と脳室の上位細胞繊毛の解析が次年度に残されている。
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今後の研究の推進方策 |
カラクシン欠損マウスのノード繊毛、上位細胞繊毛の解析を重点的に行い、論文としてまとめることを最優先課題として進める。
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