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2015 年度 実績報告書

インフルエンザウイルスHAストーク糖鎖の役割に関する研究

公募研究

研究領域ウイルス感染現象における宿主細胞コンピテンシーの分子基盤
研究課題/領域番号 15H01270
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

竹田 誠  国立感染症研究所, ウイルス第三部, 部長 (40311401)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードインフルエンザウイルス
研究実績の概要

HA開裂部位にmono-basicなアミノ酸配列を持つ低病原性の野生水禽分離株A/duck/Aomori/395/2004 (H7N1)を感染させたTMPRSS2 KOマウス肺内でのウイルスの活性化及び増殖性は、TMPRSS2遺伝子を発現している野生型マウスのそれに比べ非常に低く、HA開裂は認められなかった。また、野生型マウス50%致死量の1000倍量のウイルス感染に対しても、全く病原性を示さなかった。したがって、TMPRSS2が、HA開裂部位にmono-basicなアミノ酸配列を持つH7N1 IAVのマウス肺内でのウイルス活性化、増殖及び病原性発現を規定する必須の宿主因子であることと考えられた。更に、TMPRSS2 KOマウスで連続継代したところ、TMPRSS2非依存的なH7N1 IAVが得られた。現在までの解析では、TMPRSS2 KOマウス馴化H3N2 IAVのようなTMPRSS2 KOマウスでの致死性は認めらないが、肉眼での肺病変は認められている。TMPRSS2 KOマウス馴化H7N1 IAVが、TMPRSS2 KOマウス生体内でどのような機序でHA開裂能を獲得したかを塩基配列レベルで解析したところ、HAストークの糖鎖が一部欠失している変異株が出現していることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

H7亜型のウイルスに関して、H3亜型のウイルスと類似して、HAストーク領域の糖鎖の欠失が、プロテアーゼ特異性の変化に関係することを示唆するデータを得た。この点に関して、順調に研究が進行しているといえる。一方、HAストーク糖鎖の欠失によるHAの抗原性変化に関する研究は、あまり進捗しておらず、研究は全体としてはやや遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

HAストーク糖鎖欠失によるTMPRSS2非依存性の獲得とは、すなわち別のプロテアーゼの利用能を獲得したと考えられる。今後、その新規プロテアーゼの同定をひとつの目標とする。また、HAストーク糖鎖の有無による抗原性の変化の解析を実施する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] A型ならびにB型インフルエンザウイルスの病原性発現における宿主プロテアーゼ要求性の明確な違いについて2015

    • 著者名/発表者名
      竹田誠、酒井宏治
    • 学会等名
      第47回日本小児感染症学会
    • 発表場所
      福島
    • 年月日
      2015-10-31 – 2015-11-01
  • [学会発表] Host and viral determinants of in vivo proteolytic activation of influenza viruses.2015

    • 著者名/発表者名
      Takeda M et al.
    • 学会等名
      American Society for Biochemistry and Molecular Biology Special Symposia
    • 発表場所
      米国メリーダンド州ポトマック市
    • 年月日
      2015-09-17 – 2015-09-20
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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