公募研究
海馬は記憶の形成や想起を担う脳部位であり、海馬錐体細胞においてグルタミン酸作動性の興奮性シナプス入力部位である個々の樹状 突起棘(スパイン)が記憶に重要であると考えられている。統合失調症等の一部の精神疾患では海馬でのスパインの萎縮やスパイン数の減少等に伴って進行性の記憶障害が生じるが、その1つのマイクロ病態としてミトコンドリアの障害による代謝異常が関与する可能性が明らかにされ始めている。しかしミトコンドリア障害とシナプス病態が経時的にどのように進行するのかは未だに明らかにされていない。本研究では、統合失調症様の症状を誘発させる薬物の投与や遺伝子の操作によって個々のスパインのCa2+活動・代謝活動、およびシナプス近傍の神経内外環境がどのように変化するのかを明らかにし、記憶障害の発現・進行に関わるマイクロ病態を解明することを目的としている。28年度は前年度に引き続きスパイン内のCa2+活動・代謝活動の経時変化をイメージングで測定することを可能にする蛍光プローブの作製を行った。さらにシナプス病態の経時的な進行を明らかにするため、統合失調症様精神症状の誘発との関連が想定されている異常なDisc1変異体等を上記の蛍光プローブとともに神経細胞に発現させて蛍光イメージングによる検討を行った。また、Ca2+活動の変容に影響を及ぼす機能分子を見出し、その効果を神経細胞での蛍光イメージングにより評価した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://subsi.saitama-u.ac.jp/