研究領域 | マイクロエンドフェノタイプによる精神病態学の創出 |
研究課題/領域番号 |
15H01280
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
橋本 隆紀 金沢大学, 医学系, 准教授 (40249959)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 脳神経疾患 / モデルマウス |
研究実績の概要 |
平成27年度は、カリフォルニア大学デービス校のMouse Biology Projectとの提携で、KCNS3遺伝子に外来遺伝子を挿入し不活化したKCNS3ノックアウトマウスにさらに遺伝子操作を加えることで、KCNS3の遺伝子の第3エクソンがDNA組み替え酵素であるCre遺伝子の認識するloxP配列で挟まれた変異を有するfloxed-KCNS3マウスが作成され、金沢大学実験動物研究施設にて飼育を開始した。このマウスを野生型C56BL6Jマウスに戻し交配したのち、floxed-KCNS3ヘテロマウス同士で交配し両方のKCNS3遺伝子がloxPで挟まれたホモマウスを得た。 平成28年度に予定しているパルブアルブミン(PV)陽性ニューロンに特異的な遺伝子ノックアウト系を確立するために、PV陽性ニューロンに特異的にCreを発現するPV-Creマウスと抑制性伝達物質GABA合成酵素GAD1遺伝子の第2エクソンがloxP配列で挟まれたfloxed-GAD1マウスを交配し、GAD1の発現がPVニューロン特異的に低下し、これにより抑制性神経伝達に関連するいくつかの遺伝子の発現レベルに変化が生じることを見出し、PVニューロン特異的な遺伝子操作が成功していることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
カリフォルニア大学デービス校におけるfloxed-KCNS3マウスの作成が遅れ、平成27年9月になってfloxed-KCNS3を金沢大学実験動物研究施設で飼育し始めたため、現在はfloxed-KCNS3のホモ接合体のマウスを得ているが、PV-Creマウスとの交配は始まっていない。
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今後の研究の推進方策 |
floxed-KCNS3のホモ接合体のマウスと、両方のPV遺伝子にCreが挿入されたマウスとの交配を行い、得られたマウスのうちPV-Creはホモ接合体でfloxed-KCNS3はヘテロ接合体のマウスとPV遺伝子は野生型でfloxed-KCNS3はヘテロ接合体のマウスを交配し、PV-Creはヘテロ接合体で、floxed-KCNS3について野生型、ヘテロ接合体、ホモ接合体の同棲同腹のマウスを得て、行動解析を行う。
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