公募研究
1.精神病態脳における神経回路・シナプス活動の大規模解析法の開発:高速3次元で神経細胞およびシナプスの活動を捉えることのできる2光子イメージング法を確立した。128X128ピクセルの解像度で100Hzの速度で2次元走査できる共振ミラー型2光子イメージングとピエゾスキャナを用いた高速焦点走査により、500 (x) X500 (y) X150 (z) マイクロメートルの体積をz方向に10平面、8Hzの速度で観察できる2光子顕微鏡システムを構築した。また、構築した顕微鏡を用いて覚醒行動中のマウス大脳および小脳における神経活動およびシナプス活動を観察できることを確認した。さらに、覚醒動物におけるイメージングで問題となる揺れ補正について、連続画像の2次元相関を用いて補正する方法を確立するとともに、ピクセル輝度値の相関を計算することによる関心領域(ROI)の自動抽出法を実現した。2.精神病態脳における複数脳領域の同時イメージング技術の開発:精神病態モデルマウスの脳領野間連関を解析することを目的とした、複数脳領域の同時イメージングおよび2光子イメージング-光刺激顕微鏡を開発する。今年度は複数顕微鏡による2光子イメージングー光刺激顕微鏡を行った。通常の2光子顕微鏡に近接してレーザー走査型の光刺激顕微鏡を構築し、大脳を光刺激しながら同時に小脳の2光子カルシウムイメージングまたは小脳光刺激ー大脳2光子イメージングが可能なことを確認した。
2: おおむね順調に進展している
当初予定していた顕微鏡の開発は順調に進んでいる。
今後、3次元イメージングのさらなる高速化に取り組むとともに、複数脳領域同時イメージング顕微鏡を完成させることを目指す。さらに、これらの顕微鏡を用いた精神病態モデルマウスの解析に着手する。
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