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2016 年度 実績報告書

新規モデルマウスを用いた自閉症マイクロエンドフェノタイプの解明

公募研究

研究領域マイクロエンドフェノタイプによる精神病態学の創出
研究課題/領域番号 15H01291
研究機関九州大学

研究代表者

中山 敬一  九州大学, 生体防御医学研究所, 主幹教授 (80291508)

研究期間 (年度) 2015-06-29 – 2017-03-31
キーワード自閉症
研究実績の概要

自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder: ASD)は、「対人コミュニケーション障害」と「活動と興味の範囲の著しい限局性」を主な特徴とする神経発達障害である。発症頻度は総人口の約2%と非常に高いことから社会的にも大きな問題となっているが、その発症メカニズムは明らかになっておらず治療法も確立されていない。そこで近年大規模な原因遺伝子探索がおこなわれた結果、クロマチンリモデリング因子であるCHD8の変異が自閉症患者から多数発見されたことから、現在最も有力な原因遺伝子候補としてCHD8が大きな注目を集めている。
CHD8によるASDの発症メカニズムを調べるため、われわれはヒト自閉症患者で発見されたCHD8の遺伝子変異を再現した新規自閉症モデルマウスを作製した。するとマウスは不安の増加、社会性行動の異常といった自閉症様の行動異常を示した。さらに胎生初期から中期にかけての脳で神経発生が遅延していることが観察され、この原因として神経分化に重要な転写制御因子であるRESTが異常活性化していることを発見した。RESTの活性化はヒト自閉症患者の死後脳から得られた遺伝子発現データからも同様の結果が確認できることから、RESTの異常活性化がヒトでも自閉症の発症に関わっていると考えられる。
これらの結果は発生期におけるRESTの異常活性化が自閉症の原因であることを示唆する初めての報告であり、これに伴う神経発生遅延によって自閉症が発症すると考えられる。また、本研究で用いたCHD8変異マウスは自閉症のモデルマウスであることに加え、クロマチン動態の異常が原因となる疾患のモデルケースとしても非常に有用な研究ツールになると考えている。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] CHD8 haploinsufficiency results in autistic-like phenotypes in mice2016

    • 著者名/発表者名
      Katayama, Y., Nishiyama, M., Shoji, H., Ohkawa, Y., Kawamura, A., Sato, T., Suyama, M., Takumi, T., Miyakawa, T., Nakayama, K. I.
    • 雑誌名

      Nature

      巻: 537 ページ: 675-679

    • DOI

      10.1038/nature19357

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 発生期におけるクロマチンリモデリング異常は自閉症の原因となる2016

    • 著者名/発表者名
      片山雄太, 西山正章, 昌子浩孝, 大川恭行, 川村敦生, 佐藤哲也, 須山幹太, 内匠透, 宮川剛, 中山敬一
    • 学会等名
      第39回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2016-11-30 – 2016-11-30
  • [学会発表] CHD8 haploinsufficiency results in autistic-like phenotypes in mice2016

    • 著者名/発表者名
      Katayama, Y., Nishiyama, M., Shoji, H., Ohkawa, Y., Kawamura, A., Sato, T., Suyama, M., Takumi, T., Miyakawa, T., Nakayama, K. I.
    • 学会等名
      The 26th Hot Spring Harbor International Symposium: Trans-omics: New Approaches in Biology and Medicine 2016
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2016-11-02 – 2016-11-02
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] 九州大学生体防御医学研究所分子医科学分野

    • URL

      http://www.bioreg.kyushu-u.ac.jp/saibou/index.html

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公開日: 2018-01-16  

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