研究実績の概要 |
5因子によるフリーの微小管動態再構成に成功した。すなわち、精製した5種類のショウジョウバエタンパク質(EB1, Minispindles/XMAP215, センティン、KLP10A/kinesin-13、Mast/Orbit/CLASPとチューブリン(ショウジョウバエS2細胞由来)をさまざまな組み合わせ・濃度で反応させ、微小管動態を計測した。その結果、5因子をすべて加えたところ、微小管の伸張、短縮反応に加え(これらは3因子の組み合わせでも再現できることが知られている)、「ポーズ(休止期)」と呼ばれる伸びも縮みもしない状態が一定の頻度で観察された。ポーズはショウジョウバエ細胞の細胞質内でも比較的高頻度で見られる状態であり、すなわち、5因子反応系によりこれまでの系に比べて細胞内のものに近い微小管動態を観察できたと考える。
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