公募研究
本研究では,一部のシアノバクテリアで見られるべん毛非依存型の遊泳運動について研究を展開させた。べん毛を使わない遊泳運動は,その現象自体が他に類をみないほどユニークな現象と言える.バクテリアの生体運動の中で,べん毛に依らず,らせん形状をとらずに遊泳運動をするものは,シネココッカス以外に見つかっていない.当該年度は,この研究については,一定の成果は得られたものの,現時点では論文というかたちにまとめるだけの成果は出せていない。一方,計画班・公募班との共同研究が大きく進展した。これは,本領域の目的の1つである新たな生体運動の研究分野の開拓という点で,貢献ができたのではないかと考えている。1.磁気ピンセットを用いて,磁性細菌の磁極を人為的に反転させることに成功した。2.シネコシスティスがもつIV型線毛の光シグナルによる制御機構を明らかにした。3.スピロプラズマのべん毛非依存的な遊泳について,らせん反転と,それに伴うキンク伝搬の仕組みを明らかにした。4.好熱菌のIV型線毛依存的な運動を最適化し、その動態を画像化した。5.肺炎マイコプラズマの運動装置におけるナノレベルの変位を光学顕微鏡下で検出する方法を確立した。6.バクテロイデス門細菌が集団で滑走運動をするときに,巨大な渦構造を形成することを明らかにした。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 2件)
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America
巻: in press ページ: in press
Frontiers in Microbiology
巻: 8 ページ: 58
doi: 10.3389/fmicb.2017.00058
Nature Microbiology
巻: 1 ページ: 16148
doi:10.1038/nmicrobiol.2016.148
MBio
巻: 7 ページ: e00455-16
doi: 10.1128/mBio.00455-16