公募研究
Rap1を欠損したリンパ球において、細胞膜のテザリングとこれに伴う血管内皮上でのローリング頻度が亢進することを見出した。詳細に解析したところ、GDP結合型Rap1がLOKを介してezrin/moesinをリン酸化することにより、細胞膜を細胞骨格に結合させていることが明らかになった。ケモカイン等の刺激を受けて、細胞膜近傍においてRap1がGTP結合型に置き換わることにより、GDP結合型Rap1が減少し、細胞膜のテザリングが誘導され、ローリングしやすい状態になることが明らかになった。昨年度までの結果と合わせて考察すると、血管内でリンパ球がケモカイン刺激を受けると、GDP結合型Rap1が減少することで細胞膜が細胞骨格からはずれローリングしやすくなること、これに引き続いてGTP結合型のRap1がRAPLやfilaminといったエフェクター分子をリクルートすることでインテグリンLFA-1が活性化されて細胞表面に集積することで血管内皮上に接着することを明らかにし、血管内皮におけるリンパ球の一連の接着動態がRap1により巧妙に制御されていることを示した。また、遊走するリンパ球において、LFA-1を介した接着が尾部において解除される機構を解析し、クラスリンを介したエンドサイトーシスによりLFA-1が細胞内に取り込まれることにより尾部が接着面からはずれ、細胞が前進することができることを明らかにした。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (2件)
Journal of Cell Biology
巻: 215 ページ: 95-106
10.1083/jcb.201603062
Molecular Cellular Biology
巻: 36 ページ: 1803-1817
10.1128/MCB.00067-16
https://www.kitasato-u.ac.jp/sci/resea/seibutsu/bogyo/seitaibogyo.HP/Home.html
https://www.u-presscenter.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=8855