研究領域 | 運動超分子マシナリーが織りなす調和と多様性 |
研究課題/領域番号 |
15H01334
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
岡田 康志 国立研究開発法人理化学研究所, 生命システム研究センター, チームリーダー (50272430)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 細胞内輸送 / 細胞極性 / 微小管 / キネシン / 分子モーター |
研究実績の概要 |
細胞内物質輸送のナビゲーション機構はこれまでほとんど判っていなかった。我々は、微小管がGTP結合状態とGDP結合状態で異なる構造をとることを示し、この構造状態が細胞内物質輸送のナビゲーションを行うという作業仮説の下、本研究を行う。
具体的には、まず、in vitro再構成系で、微小管とキネシンだけからなる系で微小管によるキネシンの運動制御を一分子レベルで解析した。その結果、キネシン濃度依存的に、キネシンと微小管の相互作用は協同性を示し、自己組織化現象が生じる条件を発見した。さらに、その機構を一分子計測とと構造解析を組み合わせることによって解明した。
一方、細胞内での輸送制御の実態を明らかにするため、細胞内でキネシンと微小管の結合速度定数を直接計測する一分子顕微鏡システムを構築した。これにより、細胞内でキネシンと微小管の結合制御を微小管1本、キネシン1分子のレベルで明らかにした。その結果、細胞内には、キネシンとの親和性が異なる微小管が少なくとも4種類存在し、キネシンとの結合自体や微小管のダイナミクス、翻訳後修飾など様々な系によって複雑に制御されていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定通り、微小管の構造多形とその制御の計測に成功している
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今後の研究の推進方策 |
全般に、当初の予定通りに進展しているため、今年度も、当初の予定通りに研究を遂行する予定である。
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