公募研究
Nipblには、どのような因子が結合するかについて、GFP-NipblAとBの2種のタグを用いた免疫沈降精製及び質量分析を用いて網羅的に同定した。その結果、上位にはコヒーシンがその他、CTCF、zinc-finger protein(ZNF)、GTF構成因子やインテグレーターが見つかった。In vitro PIC形成アッセイでは、GAL4-VP16アクチベーターに依存し、コヒーシンローダーが結合するのが見えた。この結合様式は、始めにmediator、それに次いでGTF、さらにPol2やAFF4などのelongation factorと段階結合が見られるが、Pol2の結合様式と類似した。使用するNEによっては、このアッセイ系でNTPsに添加によりDNA-PKの活性化が引き起こされ、このキナーゼ活性によりRNApol2のSer2のリン酸化されることが分かった。そこで、このアッセイを行う際、DNAPKの阻害下で行い、その影響を排除することにした。 その結果、in vitroPICアッセイ系では、NTPsの添加で、転写に関するCDK7、8、9すべて活性化し、RNApol2のリン酸化、特にSer5のリン酸化には、CDK8も関与している事が分かった。また、GTFsの構成因子は、CDK7とCDK8の活性化に依存して、DNAから乖離する事が分かった。このようなCDKの阻害状態にあっても、Nipbl-Mau2の結合量には変化がなかった。次に、NipblもしくはMau2を抗体により除去したNEを用いて、in vitroアッセイを行ったところ、コントロールと比較しRNApol2のリン酸化の増加が見られた。Nipblは、Mediator、Pol2、GTFsの複合体と何らか直接的な相互作用があり、RNApol2のCTDのリン酸化の効率、厳密な制御に寄与している可能性が考えれられた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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J Exp Med.
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10.1084/jem.20161517.