公募研究
代表者は自ら開発してきたePICh法(配列特異的クロマチンプロテオミクス法)を用い、リボソームRNA遺伝子上での包括的なDNA-タンパク相互作用情報の抽出基盤を構築するために、ターミネーターとエンハンサーに対するePICh法(配列特異的クロマチンプロテオミクス法)ためのプローブを合成した。留学先で合成していた人工核酸LNAに代わり、異なる2つの人工核酸(ENAと2’-FluoroRNAオリゴ核酸)を東京工業大学清尾先生の協力の元、自ら合成した。それぞれの人工核酸が標的DNA配列をプルダウンし濃縮できるかを試験管内で調べたところ、ENAはLNAと同じように効率よく標的DNAを濃縮できたが、2’-Fluoro RNAはプルダウン効率が1/10程度であった。現在、両方の人工核酸とクロマチン抽出液を混ぜてエンハンサーとターミネーターのクロマチンの精製を試みている。プロジェクトの遅延に備えてバックアッププランとして用意した、プロモーター領域に結合しているクロマチン構成因子の中から、転写に関わる新規因子に着眼し、それらの機能解析(CIRH1AとTHUMPD1)を遂行した。CIRH1Aはプロモーター配列に対するePICh法を用いることで、転写阻害剤であるアクチノマイシンDを処理し、転写を阻害した時にのみ、プロモーターに結合する新規因子として同定した。アクチノマイシンD 処理後rDNA領域を安定に維持することに関与している。また、これまでプロモーター配列に結合する因子として同定したものの中で、siRNAを用いたスクリーニングによる網羅的にノックダウンすることで、転写活性に必要な新規因子としてTHUMPD1を見出した。内在性のTHUMPD1遺伝子のC末端にゲノム編集を用いGFPタグを挿入し、その局在を調べたところ、核全体に分布し、かつ核小体内により有意に蓄積していた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)
Journal of the American Chemical Society
巻: 138 ページ: 14100-14107
10.1021/jacs.6b09023
Scientific Reports
巻: 6 ページ: 29261
10.1038/srep29261