公募研究
皮膚、腸管、気道などの粘膜上皮は、病原微生物、共生細菌などを含む外来異物に常に曝され、細胞死に陥っては新生を繰り返すターンオーバーの速い組織である。申請者らは、抑制性受容体であるCD300aを世界に先駆けて同定し、さらにCD300aがアポトーシス細胞膜上に表出するPhosphatidylserine (PS) をリガンドとする新しいPS受容体であることを明らかにした。本研究では、腸管、気道、皮膚粘膜に存在するCD11b+樹状細胞上に発現するCD300aが粘膜上皮アポトーシス細胞のPSと結合することを観察した。またCD300a遺伝子欠損マウスでは、野生型マウスと比較し、それぞれの粘膜組織でTregが有意に増加しており、その分子メカニズムを明らかにした。
2: おおむね順調に進展している
当初の研究計画の過半はすでに行っており、極めて興味深い結果が得られた。さらに、これをすでに論文に発表した (NakahashiーOda,et al, Nature Immunology 2016)
粘膜上皮アポトーシス細胞上のPSとCD300aとの結合をCD300aに対する中和抗体またはPSに特異的に結合するMFG-E8 (Milk fat globuline-E8)蛋白を用いて遮断し、制御性T細胞を増加させることによって、粘膜組織の恒常性の維持(疾患の予防あるいは治療)の可能性を検討する。
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件、 オープンアクセス 11件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (30件) (うち国際学会 7件、 招待講演 12件) 備考 (3件)
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