研究実績の概要 |
CnfRはシアノバクテリアの窒素固定遺伝子群の転写を活性化するマスターレギュレーターであり、低酸素と窒素欠乏という2つの環境情報を統合して活性化されると推察される。非窒素固定性シアノバクテリアSynechocystis sp. PCC 6803を活用し、CnfRが作用するcisエレメントの同定を試みた。CnfRが作用するnifBプロモーター1223 bpにレポーター遺伝子(luxAB)を連結し、cnfR遺伝子を構成的プロモーターで発現するように作成したDNA断片を、Synechocystis sp. PCC 6803のゲノム中立部位に導入し、窒素枯渇・低酸素条件でのルシフェラーゼ活性を生物発光により評価した。その結果、転写開始点を基点として、-76 bpに位置するGAGTAモチーフ(モチーフIX)、-198から-111にわたる88bp(配列の特徴からモチーフI-VIIIに分割)がcisエレメントを構成しており、このうちIXを含む6つのモチーフ(III, IV, VI, VII, VIII, IX)が転写活性化に必須であることがわかった。これらのモチーフは窒素固定性シアノバクテリアのnifプロモーターに完全に保存されている。
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