公募研究
ベンサミアナタバコ (Nicotiana benthamiana) においては、NbRBOHBが病害応答性CDPKやRLCKによってリン酸化され、ROS生産を誘導する。本年度は、2種の蛍光タンパク質 (YFP、CFP)、NbRBOHB由来のリン酸化配列を用いて、CDPKまたはRLCKによるリン酸化によって生ずる構造の変化に伴って蛍光共鳴エネルギー移動 (Foster Resonance Energy Transfer: FRET) が起こる2つのセンサーの基本構造を構築し、FRET効率の最適化を図った。FRETシステムは、センサーのリン酸化時と非リン酸化時で異なる波長の蛍光として観察されるため、CDPKまたはRLCKの活性化を生細胞で蛍光として観察できる。2遺伝子発現型バイナリーベクターをベースとして、作製したセンサーとエフェクターをそれぞれ35Sプロモーターの下流に挿入した。エフェクターには、病害応答性CDPKの恒常活性型変異体 (NbCDPK5VK) および非活性型変異体 (NbCDPK5VK-KM) を用いた。これらバイナリーベクターを、アグロインフィルタレーション法によってベンサミアナタバコに導入して発現させ、葉組織から粗抽出液を調製し、マルチプレートリーダーを用いてFRET蛍光 (YFP/CFP) の強度を評価した。しかし、現在までに良好なFRET蛍光は得られていない。
3: やや遅れている
平成27年度は、センサーの基本構造を構築し、FRET効率を最適化する目的で様々なコンストラクトを作製した。FRET強度比 (ON時/OFF時) が1.3以上であることが、実用レベルのセンサーの目安とされている。一過的発現系を用いてベンサミアナ葉でFRET強度比(NbCDPK5VK / NbCDPK5VK-KM)を測定した結果、これまでに基準値以上のセンサーが得られていない。
本年度は、センサーの構造を最適化する目的で、さらに多くのバリエーションを持たせたコンストラクトを作製し、FRET強度比が1.3以上であるセンサー構造を模索する。また、抗リン酸化抗体を用いた免疫ブロットによりセンサーのリン酸化を評価する。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 3件、 査読あり 9件、 謝辞記載あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
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