公募研究
本研究では、新規に開発する逆行性感染型ウイルスベクターや順行性感染型ウイルスベクターを利用して、特定の神経回路を構成するニューロン集団の選択的可視化や活動操作をおこなう新規手法を開発し、霊長類において神経回路の機能シフト研究をおこなうための基盤技術を確立するためのシステム開発研究を行っている。今年度は、まずジャンクションが最適化されたキメラエンベロープタンパク質を利用した逆行性感染型レンチウイルスベクター(FuG-E型)の霊長類神経系における感染動態を従来型(FuG-C型)と比較し、FuG-E型レンチウイルスベクターが霊長類においてFuG-C型の約2倍の逆行性感染能を有することを明らかにした論文を発表した。また、FuG-E型とHiRetベクターであるFuG-B2型の霊長類(マカク・マーモセット)およびげっし類(ラット)における感染動態や注入部位における免疫反応などの差異を線条体注入系と皮質注入系において明らかにした(論文準備中)。一方、独自に開発した狂犬病ウイルスベクターのゲノム改変によって作成した、ゲノム複製能や外来遺伝子発現量が異なる複数の感染伝播能欠損型ベクターの性状解析を行い、低細胞毒性型、長期発現型の伝播能欠損型狂犬病ウイルスベクターの開発を進めた。さらに、霊長類における化学遺伝学(DREADD法)の適用に成功し、薬剤(CNO)の血中投与により、吻内側尾状核ニューロンの活動を選択的に抑制すると、報酬課題において行動変化が生じることを確認した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Eur J Neurosci
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1111/ejn.13421
Neurosci Res
10.1016/j.neures.2017.02.007
PLoS ONE
巻: 11 ページ: e0166861
10.1371/journal.pone.0166861
Nat Commun
巻: 7 ページ: 13605
10.1038/ncomms13605
http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/sections/systems_neuroscience/index.html