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2016 年度 実績報告書

知覚学習の大脳皮質神経回路基盤

公募研究

研究領域行動適応を担う脳神経回路の機能シフト機構
研究課題/領域番号 15H01457
研究機関生理学研究所

研究代表者

吉村 由美子  生理学研究所, 基盤神経科学研究領域, 教授 (10291907)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード大脳皮質視覚野 / 視覚弁別課題 / 錐体細胞 / 抑制性細胞 / 神経結合
研究実績の概要

繰り返し学習による視覚能力の向上は、大脳皮質視覚野における神経細胞の反応性の変化や神経回路シフトを基盤として成立する。我々は昨年度までに、頭部固定した成熟ラットを対象に、提示された縞の方向を弁別する視覚弁別課題を約一か月間トレーニングすると、縞模様を知覚する能力が向上することを確認した。本年度は、弁別能力が向上したラットの一次視覚野から、課題遂行中の視覚反応を多点電極により記録した。記録した活動電位の波形から、regular spiking typeの発火パターンを示す、主に興奮性細胞と考えられる細胞と、fast spiking typeの抑制性細胞に分類し、それぞれの視覚反応を解析した。その結果、fast spiking細胞の多くは弁別課題の正解時には不正解試行よりも高頻度で発火した。一方、regular spiking細胞は弁別課題の正誤に依存した発火頻度の違いは見られなかった。これらの結果は、抑制性細胞の発火頻度が視覚弁別に重要であることを示唆する。
また、特定の方位に反応する細胞群の神経回路を解析するために、神経活動依存的な人工プロモーター(E-SARE)を利用して、縦縞に反応した細胞に蛍光蛋白Venusを発現させた。この視覚野より切片標本を作製し、Venus陽性の錐体細胞ペアあるいはVenus陽性・陰性細胞ペアから同時ホールセル記録を行い、神経結合の有無を調べた。2/3層、5層共に、Venus陽性錐体細胞ペアの結合確率は、陽性・陰性細胞ペアの約2倍であった。さらに5層錐体細胞は、同種の発火パターンを示す細胞間において高い割合で神経結合が観察された。これらの結果から、最適方位が類似する視覚野錐体細胞は選択的に神経結合すること、5層錐体細胞の結合は細胞タイプにも依存することが示唆された。今後は、視覚弁別学習により強化あるいは弱化する神経結合を同定することを目指す。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

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公開日: 2018-01-16  

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