研究領域 | ノンコーディングRNAネオタクソノミ |
研究課題/領域番号 |
15H01468
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小林 慎 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 非常勤講師 (10397664)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | non-coding RNA / 疾患モデルマウス / 性差 |
研究実績の概要 |
ゲノムプロジェクトの成果から、「ゲノム上のがらくた」と思われてきた領域には、タンパク質をコードしないnon-coding RNA (ncRNA) が多量に存在することが分かってきた(Kapranov P、Science, 2007)。その中でmiRNAを代表とする小さなRNAの機能解析は進んでいるが、200塩基以上の長い ncRNA(long non-coding RNA, lncRNA)は、個体レベルで機能が明らかになった例は僅かであり、その生理的な役割を明らかにすることが求められている。我々が発見したFat60 lncRNAの個体での機能を解析するためノックアウトマウスを作製したところ、一部個体で、発生に異常を示すマウスが出現することを明らかにした(未発表データ)。更に興味深いことに、表現型は性差を示すことが分かった。異常は雌KOマウスで見られるが、雄では異常は殆ど見られない。また、このような異常は同腹の野生型の個体では見られない。また、異なるESラインから作製したKOマウスにも同様の異常が見られたことから、表現型はlncRNAをKOしたことに由来すると想定される。更に発生を遡り胎仔期での表現型を詳しく調べると、既に発生過程で異常が見られることが分かった。このように。lncRNAの作用機序の解明に、細胞レベルで取り組む基盤が整った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
KO胎仔の形態異常が「どの細胞」で「いつ」起こるか特定する目的で、胎仔期を遡り、発生の各ステージでの組織切片の詳細な解析を行った。組織切片、及び細胞の種類を染め分ける免疫染色による組織学的な解析を行った結果、異常を起こす組織及び、特定の細胞種を絞り込むことに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
現在、Fat60 lncRNA欠失と表現型の異常との関連を調べるため、雌雄KOマウスと野生型雌雄マウスの組織をDNAマイクロアレイ、及び次世代シーケンサーを使い解析中である。DNAマイクロアレイ、及び次世代シーケンサーを用いて得られるデータを解析し、lncRNAの発現消失による、遺伝子ネットワークの変化を検出する計画を立てている。体系的、網羅的遺伝子発現解析を行うことにより、lncRNA破壊と表現型との関連を分子レベルで明らかにしていく予定である。
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