公募研究
Mediatorの転写時における役割を明らかにするため、昨年度に引き続き、サブユニットに結合するRNAの同定を試みた。MED13およびMED13LにPIWIモジュールがあることから、これら二つを標的タンパク質としてPAR-CLIP法を実施した。その結果、内在タンパク質を標的とした手法は、よい市販の抗体が得られず断念したが、Haloタグを付加したものではライブラリーの作成に成功した。特にMED13Lに結合するRNAが強く検出された。これをNGSによるシーケンス解析した結果、結合RNAの主要なものはtRNAであり、他にも細胞質中にあるRNAが大多数を占めていた。MED13を含めたMediator複合体は通常は核に局在していることから、細胞質中でtRNAと結合している意義については現在解析中である。一方、通常のPAR-CLIP法のプロトコールでは、核内でクロマチンと結合したRNAおよびMediator複合体を回収できていない可能性が考えられた。このため、核膜を完全に溶解する改変法を確立すべく条件検討を重ねた。その結果、細胞溶解液の塩濃度を高くすると、PAR-CLIP法で回収できるRNA量が格段に増えることを見出した。このため、この改変プロトコールでMED13Lに対してPAR-CLIPを行い、NGSでシーケンス解析を行った。現在、その性状について解析中であるが、主要なものはncRNAおよびlong ncRNAとなったことから、核内の結合RNAを回収できたものと考えている。今後その内容から生理的意義について予測をたて、実際に検証する実験を行う予定である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Cell Reports
巻: 17 ページ: 2004-2014
10.1016/j.celrep.2016.10.073.
http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/rna/publications.html