研究領域 | 細胞競合:細胞社会を支える適者生存システム |
研究課題/領域番号 |
15H01483
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
榎本 和生 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (80300953)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | Hippoキナーゼ / NDRキナーゼ / 受容領域 / 樹状突起 / ショウジョウバエ |
研究実績の概要 |
ショウジョウバエ感覚ニューロンの受容領域は、隣り合うニューロンの樹状突起同士が反発運動を行うことにより競合的に決定される。我々は、樹状突起間に生じる反発運動が、HippoキナーゼとNDRキナーゼをコア構成因子とするリン酸化シグナルカスケードにより制御されることを明らかにしている。本研究では、隣り合う樹状突起同士が互いを認識するメカニズムと、Hippo-NDRキナーゼ伝達径路がいかにして反発運動を誘導するのかを明らかにすることを目的としている。前者に関しては、候補因子として、あらたに受容体型チロシン脱リン酸化酵素ファミリー分子を同定し、この因子がHippo-NDRキナーゼ伝達径路と協調的に働く可能性を示した。後者に関しては、細胞骨格制御因子であるEnaファミリーを同定し、さらにEnaと相互作用する因子群を同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ショウジョウバエ感覚ニューロンの受容領域は、隣り合うニューロンの樹状突起同士が反発運動を行うことにより競合的に決定される。我々は、樹状突起間に生じる反発運動が、HippoキナーゼとNDRキナーゼをコア構成因子とするリン酸化シグナルカスケードにより制御されることを明らかにしている。本研究では、隣り合う樹状突起同士が互いを認識するメカニズムと、Hippo-NDRキナーゼ伝達径路がいかにして反発運動を誘導するのかを明らかにすることを目的としている。前者に関しては、候補因子として、あらたに受容体型チロシン脱リン酸化酵素ファミリー分子を同定し、この因子がHippo-NDRキナーゼ伝達径路と協調的に働く可能性を示した。後者に関しては、細胞骨格制御因子であるEnaファミリーを同定し、さらにEnaと相互作用する因子群を同定した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、新たに同定した受容体型チロシン脱リン酸化酵素ファミリー分子が、具体的にどのようにしてHippo-NDRキナーゼ伝達径路と機能的に相互作用するのかを解明することである。ともにリン酸化カスケードに関与するので、基質の同定を含めて検討する予定である。また細胞骨格因子群についても、Hippo-NDRキナーゼ伝達径路との関係を追求する。
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