公募研究
骨格筋の幹細胞である筋衛星細胞は、通常は静止期にあるが筋傷害に反応し活性化・増殖・分化し、筋芽細胞を経て融合し成熟骨格筋細胞となり、筋肉としての機能維持を担っている。我々は、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)受容体が発生途中および再生途中の筋芽細胞に特異的に発現し、G-CSFが筋肉細胞の増殖を介して筋傷害後の再生を促すことを見いだした。さらに詳細に観察を進めると、G-CSF受容体は活性化した筋衛星細胞に不均等に分布し、筋衛星細胞の分裂・維持・分化に関与していることが判明した。G-CSFは静止期及び活性化した筋衛星細胞を増やす作用があり、G-CSFは筋衛星細胞の不均等分裂に関わり、筋衛星細胞の長期に渡る維持作用を有することが示唆された。筋ジストロフィーは慢性的な筋肉細胞の壊死・変性を来し運動機能低下を認める遺伝性疾患である。病初期においては活発に筋再生が認められ機能維持しているが、徐々に筋再生は低下し筋力低下が顕著になっていく。若年時には活発に再生していた筋衛星細胞が早期に老化し、数と機能低下に陥ってしまうことが原因とされている。筋ジストロフィーモデルマウスにおいても筋衛星細胞は早期に老化し数と機能が低下する。G-CSF受容体欠損筋ジストロフィーモデルマウスでは早期に致死的であり、重症筋ジストロフィーモデルマウスにおいてはG-CSFを定期的に投与することで寿命の著名な延長効果が確認された。
2: おおむね順調に進展している
種々の骨格筋傷害モデルに対してG-CSFを投与することにより骨格筋再生効果を確認し、さらにG-CSFの至適投与量・投与期間を決定した。
種々の骨格筋傷害モデルに対してG-CSFを投与することにより骨格筋再生効果を確認しており、同モデルを用いてG-CSFの詳細な分子機序の同定をする。特に幹細胞老化という観点における筋肉幹細胞の制御を目的とした、骨格筋幹細胞老化分子機構を解明する。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 12件)
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