公募研究
1,Unstructured 領域結合分子シャペロンによるプロテアソームの新生鎖分解の阻害本年度は異常新生鎖の分解制御に関わる分子シャペロンの研究に挑んだ。翻訳に何らかのエラーがあり翻訳伸長反応が止まってしまった異常新生鎖には、CAT-tailとよばれるUnstructured領域が取り付けられることが知られている。申請者はまず、異常新生鎖のC末端に見られるCAT-tailや塩基性アミノ酸より構成されるUnstructured領域の、プロテアソームによる分解に与える影響を調べた。その結果、塩基性アミノ酸残基には分解誘導効果はないものの、CAT-tailには強い分解誘導効果があることを明らかにした。このCAT-tailは分子シャペロンSis1と相互作用すると報告されているので、Sis1による分解阻害作用も検証している。2,プロテアソームによる蛋白質分解を制御する「人工シャペロン」の開発Unstructured領域への分子の結合や修飾(修飾化合物、リガンド、抗体)により、Unstructured領域の性質が変わり、分解が制御可能であることをこれまでに明らかにしている (Takahashi et al. (2015) ACS Chem. Biol.)。これを踏まえ、より汎用的にターゲット蛋白質選択的な分解阻害を可能にする細胞内抗体の利用を検討した。まずは既に確立した小型抗体断片Nanobodyを用い、Unstructured領域に抗原配列をもつモデル蛋白質の分解を阻害できるか確かめた。その結果、精製蛋白質を用いたin vitroの実験において、Nanobodyによりモデル蛋白質の分解が抑制できることを示した。さらに細胞内でNanobodyとモデル蛋白質を共発現し、小型抗体によるモデル蛋白質の分解抑制効果を検証している。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
J. Biol. Chem.
巻: 291 ページ: 14526-39
10.1074/jbc.M116.727578
http://inobelab.wordpress.com