研究領域 | 新生鎖の生物学 |
研究課題/領域番号 |
15H01538
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
佐藤 明子 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (30529037)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ショウジョウバエ / EMC / 膜タンパク質 / 生合成 |
研究実績の概要 |
この仕事に携わる研究員は他の研究(Rab6について)も行っているが、そちらの研究に関して論文を通すために注力していたために、H27前半は研究の進展が遅かった。論文が一段落した後、集中した解析が可能となり、幾つかの重要な進展を得ることができた。 1つめの進展としては、Pat10同定の試みにおける進展である。Ismail らは Biochemical J. にて 2008 年にロドプシンの生合成過程でロドプシンに結合する10kD ほどの小さなタンパク質(Pat10 と命名)の存在を報告した。Pat10 がEMC のサブユニットである可能性を考え、再現実験を試み成功した。しかしながら、Ismail らと同様に質量分析などによりPat10 を直接同定する事ができるほどの量を得ることには成功しなかった。そこでEMCのサブユニットに対する抗体を用いて、immnoblot にて Pat10 がEMCのサブユニットであるかどうかを検討したいと考えている。 2つ目の進展としては、EMC 変異視細胞において様々な膜タンパク質を発現させ、その生合成について調べるという実験である。こちらに関してはこれまでに、GFP融合膜タンパク質140 について視細胞における発現の有無を調べ、55 の発現系統を同定した。現在、これらをEMC変異視細胞を持つモザイク網膜で発現させるための掛け合わせ実験を行っている。また、更に、myc や HA などのタグを持つ膜タンパク質について視細胞での発現を誘導し、実際に発現するものの選択を試みている。発現するものについては、EMC変異視細胞を持つモザイク網膜で発現させるための掛け合わせを随時行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
この仕事に携わる研究員は他の研究(Rab6について)も行っているが、そちらの研究に関して論文を通すために注力していたために、H27前半は研究の進展が遅かった。論文が一段落した後、集中した解析が可能となり、幾つかの重要な進展を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、H27 で進めた2つの実験、Pat10 の同定を更にすすめること、EMC 変異視細胞において様々な膜タンパク質を発現させ、その生合成について調べるという実験でさらに推し進めるとともに、当初計画にあった、EMC 欠損細胞のミクロゾーム膜の調整を試みる予定である。
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