公募研究
オートファジーの多寡は、老化に伴って増えていく異常タンパク質の蓄積量に影響を与え、ひいては認知症などの発症に深く関わっている。本研究では、脳老化タンパク質の蓄積や認知症発症に、Atg5非依存的新規オートファジーが如何に関わっているかを明らかにするとともに、新規オートファジー調節を介した神経変性疾患治療法の開発研究を行なうことを目的としている。新規オートファジーとは、私たちのグループが発見した新しいタイプのオートファジーであり、Atg5やAtg7を使わずに実行されるオートファジーである。また、新規オートファジーは、酵母細胞から哺乳動物細胞まで種を越えて保存されていること、新規オートファジーとAtg5依存的オートファジーは役割を分担していること、赤血球の最終分化をはじめ様々な生理現象に関わっていることがわかっている。今年度は、新規オートファジー実行分子の1種であるAag3分子を神経特異的に欠損させたマウスを作製し、詳細に解析した。その結果、(1)Atg5依存的オートファジーは正常に誘導されていること、(2)神経細胞に神経変性疾患を惹起しうる分子が蓄積していること、(3)神経細胞の脱落変性が生じ、神経変性疾患を発症していることを見出した。また、Neuro2a細胞に種々の神経変性疾患原因分子を発現させ、新規オートファジー誘導化合物の中から、これらの蓄積分子を分解できる化合物を探索したところ、3種類の候補化合物の同定にいたった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
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