公募研究
(1)iPS細胞由来ニューロンにおける異常タンパク蓄積や神経変性と遺伝子発現、シグナル変化の時間的相関の解析SBMA疾患特異的iPS細胞から誘導した運動ニューロンの分化成熟過程において、変異AR凝集体形成や各種遺伝子発現変化を経時的に解析したところ、分化成熟4週間の段階で変異AR凝集体形成は観察されなかったが、発現変化を示す遺伝子を複数同定した。さらに、それに伴う細胞内シグナル変化も検出され、疾患特異的iPS細胞から誘導したニューロンにおいて早期の病態変化を再現できたと考えられた。すでに、モデルマウスにおいても同様の発現変化を示す分子群を同定しており、早期病態のバイオマーカーや早期病態を標的とした治療開発につながると考え、さらなる解析を進めていく予定である。(2)神経変性を誘導する「ストレス」シグナルの同定とその病態の解明SBMA患者iPS細胞由来ニューロンにおいて、タンパク分解系であるユビキチン・プロテアソームシステムやオートファジーの阻害剤、小胞体ストレス誘導剤、酸化ストレス誘導剤、炎症性サイトカイン、ミトコンドリア機能阻害剤、興奮性刺激剤等を添加してストレスを負荷したところ、伸長ポリグルタミン鎖の発現上昇や神経突起伸長の阻害作用などの病態促進効果を示すストレスシグナルを同定した。また、関連する遺伝子発現変化も観察されたことから、このストレスシグナルが病態促進シグナルになっていると考えられた。今後、このシグナルの阻害剤を用いた病態のレスキューを検討し、新たな治療標的となり得るのか、検討を進めていく予定である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (1件)
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