研究領域 | 構成論的発達科学-胎児からの発達原理の解明に基づく発達障害のシステム的理解- |
研究課題/領域番号 |
15H01577
|
研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
熊崎 博一 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 特命助教 (70445336)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 自閉スペクトラム症 / ロボット |
研究実績の概要 |
自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)児はノンバーバルなインタラクションの障害を特徴とする。ノンバーバルなインタラクションはASDの社会機能に直結していると言われており、改善のための支援が必要である。ヒューマノイド(人型ロボット) はノンバーバルなインタラクションが苦手なASD児の多くに対し、インタラクションを促すことが期待される。本年度はASD児に小型のヒューマノイドとのインタラクションを行っていただき、インタラクション中のASD児の様子について解析し、ASD児にとってヒューマノイドとのインタラクションを行う利点について検討した。多くのASD児は小型のヒューマノイドに対し、ヒトとのインタラクションと比べて安心して関わっていることが推察された。ビデオカメラによる分析、及び本人・保護者への面接から、ヒューマノイドとのインタラクションはヒトとのインタラクションと比べて声・語り調子といった感情的要素が少ないこと、 表情、態度、姿勢、視線(情動を伴わない、概念化する必要がない)といったヒトと比べてシンプルな外見を有すること、新奇性があること、ASD児はメカニカルなものへの強い関心を示すこと、繰り返し同じサポートが提供できるといったブレのない対応を提供できることが大きなメリットと考えられた。また顔面模倣をしやすいコンテンツを有することが療育に向いていると考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに多数の予備実験を行うことができ、インタラクションの質を上げる要因についての検討をある程度行うことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
今後はロボットと関わることでのインタラクションの質の変化についてヒトとの関わりと比較し検討していく。
|