公募研究
超早産児の約50%に自閉スペクトラム症や知的障害といった神経後障害を認めるが、原因となる脳の病態生理は依然解明されていない。子宮外環境に晒される早産児の脳障害の解明には胎児期の脳の発達に着目する必要がある。本研究は、胎生期に一過性に出現し神経回路網構築に重要な役割をもつサブプレートニューロン(SPニューロン)の損傷こそが、超早産児に認める神経発達障害の主犯であるとする新しい仮説を検証することが目的である。発達早期の脳波上に観察される紡錘波状速波は、SPニューロンの活動を反映する脳波波形であることが齧歯類の研究から明らかにされてきたため、この速波活動の出現頻度・部位を多角的に観測し、コンピュータ解析することでSPニューロンの活動を詳細にモニタリングすることが可能である。平成27年度は、当院NICUにおける在胎22週~28週出生の超早産児15名に対し、出生後1週間以内に初回脳波を施行し、その後1~2週間隔で修正40週まで施行した。記録した脳波を解析し紡錘波状速波を定量した。また、修正40週で3D-T1強調画像(MPRAGE)と安静時機能的MRI画像を撮像した。
2: おおむね順調に進展している
当院に入院する対象症例に対し、順調に対象のリクルートと脳波検査、MRI撮像が行われている。
次年度は、脳波解析を通じて脳波の記録時期と導出部位ごとに速波群発を定量し、修正18か月予後との相関を明らかにする。また、脳構造との関係は、3D-MRIと安静時機能的MRIから明らかにする。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)
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