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2015 年度 実績報告書

発達障害者の感覚特異性の脳磁図計測と再現モデルによる診断・評価・支援システム構築

公募研究

研究領域構成論的発達科学-胎児からの発達原理の解明に基づく発達障害のシステム的理解-
研究課題/領域番号 15H01581
研究機関大阪大学

研究代表者

下野 九理子  大阪大学, 連合小児発達学研究科, 講師 (60403185)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード脳磁図 / 感覚特異性 / 発達障害
研究実績の概要

本年度は1.対象者のリクルート:6歳から10歳の男子でIQ75以上の定型発達児(TD)と自閉症スペクトラム障害児(ASD)を各6名、5名ずつ研究に参加していただいた。
2.感覚特異性についてのアンケートの作成と実施:視覚刺激に対する感覚特異性について調べるためのアンケートを作成し、実施した。それによるとASD者の中には光って見えたり、光の玉のようなものが飛んでいるように見えたり、コントラストが強い見え方をする人がいることがわかった。TDにおいては日常の中で光の加減で『(実際に)光って見える」という経験を答えている人はいたが、特異な見え方をする人はいなかった。
3.脳磁図計測時のタスクの作成:1)静止画刺激で3種類の視覚刺激を作成: 物体の写真を撮影し、画像処理をかけてコントラストを強くしたものと、光の玉のような画像を重ねたものを作成した。2)動画刺激で風景の動画と、それをコントラストを強くした動画を作成し、動画タスクを作成した。脳磁図計測:これらのタスクを用いてTD6名、ASD5名に計測を行った。
5.MRI撮影;MEGの解析の際に重ね合わせるために上記の被験者にMRIを撮影した。
6.MEG解析結果:一次視覚野反応までの潜時に関して群間差は認めなかった。反応の大きさについてはASDで大きい傾向を示した。刺激の差異による違いについては有意な差を認めなかった。今後症例数を増やして検討を行っていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計測に関わる設定はすべて終了し、計測を開始できている点においては計画通りである。被験者数がまだ少ないため、あと半年でできるだけ被験者数を増やすように努力する予定である。現在の計測結果からプレリミナリーな結果をまとめたが、まとまった数の計測が終了してから再度検討を行い、統計的処理をしていく予定。

今後の研究の推進方策

研究の進捗としては概ね順調であるが、現在の結果からみるとシミュレーションシステムを用いた刺激によってTDで”ASDと同様の脳活動を惹起する”というわけにはいかない印象である。しかし、その違いについて詳細に検討することで、よりASD児の感覚特異性の神経基盤の理解につながる可能性はある。また、今の所、どのような”感覚フィルター”を用いるのがASD者の支援につながるのかという観点では結論が出ていない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 日常場面の動画提示に対する自閉症スペクトラム児と定型発達児の反応相違2016

    • 著者名/発表者名
      松嵜順子
    • 学会等名
      第31会日本生体磁気学会
    • 発表場所
      金沢
    • 年月日
      2016-06-09 – 2016-06-10
  • [学会発表] 自閉症スペクトラム障害児の感覚特異性に関する神経基盤2016

    • 著者名/発表者名
      下野九理子
    • 学会等名
      第31会日本生体磁気学会
    • 発表場所
      金沢
    • 年月日
      2016-06-09 – 2016-06-10

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公開日: 2017-01-06  

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