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2015 年度 実績報告書

高難度外科手術における術者間のメンタルモデルシェアリングに関する研究

公募研究

研究領域認知的インタラクションデザイン学:意思疎通のモデル論的理解と人工物設計への応用
研究課題/領域番号 15H01614
研究機関名古屋大学

研究代表者

三輪 和久  名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (90219832)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードメンタルモデル / 3Dプリンタ / 手術
研究実績の概要

名古屋大学情報連携統括本部(大学院情報科学研究科併任)の森健策教授(連携研究者)により,医用画像処理と3Dプリンタに基づき3D臓器オブジェクトが作成された。加えて,3D臓器オブジェクトを用いた手術に実績を持つ名古屋大学大学院医学研究科の伊神剛講師が,連携研究者として,本プロジェクトに参加し,同講師が自ら手術を執刀すると同時に,同講師が中心となって,手術を行う病院,術者,患者との調整を行った。
参与観察では,3D臓器オブジェクトが手術に持ち込まれることにより,メンタルモデルシェアリングのためのインタラクションパターンがどのように変化するのかを検討した。6例の手術事例を記録した
。術中の行動,および発話の記録は,2台のカメラで行われた。手術台上方から患部を狙うカメラ,および側方から術者全員の動きを記録するカメラにより映像データを記録し,前者のカメラに設置された集音マイクにより,術中の発話データを記録した。さらに,1名の記録員が手術室に入り,ハンドカメラ,および音声レコーダを携帯することで,補助的データを収集した。これらのデータに基づき,エスノブラフィカルな分析を行った。それぞれの参加者が持っているメンタルモデルを同定し,3Dオブジェクトの機能を明らかにした。
実験研究では,参与観察で観察された3Dオブジェクトの機能が,要因を統制する実験においても同様に発現されるのかを確認するために,一般大学生を実験参加者とする実験を行った。手続き実験材料として,実際の肝臓の構造を簡略化した上で,血管,腫瘍等を内蔵する仮想肝臓を設定した。実験では,仮想肝臓の血管や腫瘍の位置を推定させた。具体的には,複数の特定の断面における血管や腫瘍の位置,それらの相対的位置などを測定した。分析の結果,2Dのバーチャルイメージに対して,3Dオブジェクトが,参加者の空間的推論を促進することが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた参与観察,および統制実験を終了し,分析の結果,良好な結果を得ている。また,いくつかの会議で,成果を発表している。

今後の研究の推進方策

当初の予定通り,医師を実験参加者とする実験を実施する。実験を通して,専門的知識が,3Dオブジェクトの機能の発現にどう関与するかを議論し,3Dオブジェクトの機能と熟達の関係を検討する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] 3Dイメージと3D印刷されたオブジェクトの利用が空間的推論に与える影響2016

    • 著者名/発表者名
      前東晃礼・三輪和久・小田昌宏・中村嘉彦・森健策・伊神剛
    • 学会等名
      日本認知科学会第33回大会発表
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2016-09-16 – 2016-09-18
  • [学会発表] 3Dイメージと3D印刷されたオブジェクトの利用が肝構造のメンタルモデル形成に与える影響2016

    • 著者名/発表者名
      前東晃礼・三輪和久・小田昌宏・中村嘉彦・森建策・伊神剛
    • 学会等名
      人工知能学会第76回先進的学習科学と工学研究会
    • 発表場所
      かんぽの宿有馬
    • 年月日
      2016-03-06 – 2016-03-07
  • [学会発表] Influence of 3D images and 3D-printed objects on spatial reasoning2016

    • 著者名/発表者名
      Maehigashi, A., Miwa, K., Oda, M., Nakamura, Y., Mori, K., & Igami, T.
    • 学会等名
      38rd annual conference of the cognitive science society
    • 国際学会
  • [学会発表] 肝切除手術における3D肝臓モデルの利用に関する検討2015

    • 著者名/発表者名
      前東晃礼・三輪和久・寺井仁・伊神剛・中村嘉彦・森健策
    • 学会等名
      日本認知科学会第32回大会
    • 発表場所
      千葉大学
    • 年月日
      2015-09-18 – 2015-09-20
  • [学会発表] Investigation on Using 3D Printed Liver during Surgery.2015

    • 著者名/発表者名
      Maehigashi, A., Miwa, K., Terai, H., Igami, T., Nakamura, Y., Mori, K.
    • 学会等名
      37rd annual conference of the cognitive science society (CogSci 2015)
    • 発表場所
      Pasadena, USA
    • 年月日
      2015-07-23 – 2015-07-25
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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