公募研究
脳機能マッピングは、運動・言語機能である。申請グループはリアルタイム高周波律動(High Gamma activity: HGA)マッピングをベッドサイドのみならず、覚醒下手術への応用に成功した(Ogawa, 2014, 2016)。報告したリアルタイムマッピングは20秒間の安静・課題時の平均を表示していたが、各視覚提示に合わせてトリガーを付して、視覚刺激毎の脳皮質電位(ECoG)による解析を行いはじめた。また、運動野上に留置した高密度ECoGからモーションキャプチャー装置により各手指のポーズを読み取り、精確な運動反応の検出、これを用いたロボットアームの操作を行う。細かいhand poseの読み取りは、より高密度電極による詳細なデコーディングを試行する。また、HGAのみならず、他周波数を含め読み取りのためにColor-coded mappingを含む多次元のデータ解析を行う。さらに術中HGAマッピングと皮質-皮質誘発電位(CCEP)計測により、聴覚刺激誘発側頭葉HGAと同部位刺激による前頭葉言語野を同定できる”Super-passive mapping”法を報告した(Tamura,2016)。上述したが、複数の周波数帯域と高密度電極(倫理員会承認済み)を用いて、ECoGによる精度の高いデコーディングを行う。覚醒下手術中にはリアルタイムECoGマッピングに加え、申請者が開発した脳表血流計測システムで、言語課題遂行時の血流変化を捉える。この血流変化と同課題機能的MRIの比較により機能的MRIが血液量、血流、流速変化が関与しているが解明できる。てんかんによるslow dynamicsの画像化と臨床応用、腫瘍性病変による精確な脳機能マッピング、機能ネットワーク、複数帯域の周波数変化、血流計測により機能的MRI信号の原理を解明に貢献できる。
3: やや遅れている
提示刺激とトリガーの間に16msecほどの遅れがあることが判明した。このズレを補正するために脳表電位計測装置と提示モニターに光センサーをすることとした。また、平成27年7月、ECoG-fMRI-EEG同時計測系の設計過程で、EEG上に想定外の雑音が混入し、研究遂行上必要なデータを得られないことが判明したため、雑音除去方法の検討・確立が必要となった。加えて平成27年12月、触覚フィードバック機構の設計過程で、触覚センサー電流が想定よりも不足し、研究遂行上必要な性能を得られないことが判明したため、触覚センサー電流増幅回路の追加設計が必要となった。
EEG上の電気的雑音に関しては、頭部、ケーブル固定を工夫しノイズを減らした。課題に関しては運動想起課題、言語課題では黙読とするなどして雑音問題の解決に取り組む。また電気刺激とアバター操作を用いた独自のフィードバックシステムを開発し患者に応用する。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (16件) (うち国際共著 3件、 査読あり 16件、 オープンアクセス 10件) 学会発表 (20件) (うち国際学会 6件、 招待講演 15件) 図書 (2件) 産業財産権 (1件)
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