公募研究
上縦束第III枝がかかわる腹側前頭・頭頂葉ネットワークに焦点をあて、左半球では‘行為’、右半球では運動主体感に関わる皮質活動の探索と変容様式の同定を進めた。左半球は術前評価のために硬膜下電極を留置し、研究に同意を得た難治てんかん患者を対象とした。昨年度に、臨床脳機能マッピングとしての高頻度皮質電気刺激を用いて、行為における腹側運動前野とPF野の機能相違を示した5症例(国内学会発表)で追加解析を行った。皮質皮質間誘発電位(cortico-cortical evoked potential: CCEP)から、下頭頂小葉から側頭葉底部への機能結合を3例で見いだした。側頭葉底部は皮質脳波のdecoding研究(論文発表)からも意味認知機能の存在が示唆されており、行為における意味機能へのアクセスが示唆された。また課題遂行中の皮質脳波にdecoding手法を活用し、中心前回からの同側上肢運動の解読(論文発表)や意味認知における側頭葉前方領域の重要性(論文発表)を報告した。このような研究的背景から、行為中の広域周波数帯域の神経活動にdecodingを導入し、4症例で求められる‘重み’と 、CCEPによる機能的結合、高頻度電気刺激による機能変容を比較検討し、ネットワーク内のハブの局在を検討した。同定したハブ(腹側運動前野)に対し刺激介入し、モーションキャプチャーシステムを用いて運動変容の定量解析を行った。今後はネットワーク内の2つのハブ領域に同時介入を行い、ネットワークレベルでの変容の解明をめざす。右半球では、右頭頂葉弁蓋部・島皮質に脳腫瘍がある3症例を対象に、切除術前後に運動主体感を定量的に計測し、術後の運動主体感の変容を、急性期から亜急性期への遷移に関して検討した。術後運動主体感については変容が認められ、切除部位が責任領域と示唆された。今後は安静時機能的MRI によるネットワーク解析を術前後に縦断的に施行し、ネットワークの動的遷移の解明をめざす。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 2件、 査読あり 12件、 謝辞記載あり 8件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (25件) (うち国際学会 7件、 招待講演 10件) 図書 (9件)
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